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「友人限定だから大丈夫」は危険…BeRealで相次ぐ社内情報漏えい、企業と従業員の責任は?

「友人限定だから大丈夫」は危険…BeRealで相次ぐ社内情報漏えい、企業と従業員の責任は?

「盛らないSNS」として、若い世代を中心に利用が広がる「BeReal」(ビーリアル)。

撮影した写真をそのまま共有できる手軽さが人気を集める一方、職場の内部資料やパソコン画面などが写り込んだ投稿が拡散され、企業の機密情報が漏えいする事案も相次いでいる。

西日本シティ銀行では、行員が内部の様子を撮影した画像や動画をSNSに投稿し、顧客の氏名が映り込んでいたとして謝罪する事態となった。

こうしたケースでは、友人限定の投稿や、一定時間で消える仕組みの投稿であっても、スクリーンショットや再投稿によって情報が広がるリスクがある。

従業員個人の問題にとどまらず、企業にとっても信用低下や損失につながりかねない。

企業は、こうしたSNSアプリの使用をどこまで制限することができるのだろうか。今井俊裕弁護士に聞いた。

●「SNS利用禁止」のルール整備を検討すべし

──BeRealのように、撮影した写真をそのまま投稿するSNSについて、企業が利用禁止のルールを設けることは認められるのでしょうか。

BeRealは「ありのままのリアルな自分」を共有することをコンセプトにした写真投稿型SNSです。ユーザーには投稿を促す通知が届き、通知から2分以内に投稿することが基本とされています。

投稿先が友人に限定されることもあり、ユーザーは場所や状況をあまり意識せずに、気軽に写真を撮影・投稿してしまう傾向があります。

しかし、十分な配慮がないまま職場で撮影すると、報道されているようにホワイトボードやパソコン画面に表示された顧客情報、社内資料などが映り込み、そのまま拡散される事故が生じます。

企業としては、このような情報漏えいを未然に防ぐため、就業中や職場内でのSNS利用を禁止・制限する措置を検討すべきでしょう。

そもそも就業時間中、従業員には職務に専念する義務があります。そのため、私的なSNS利用を禁止すること自体に法的な問題はないと考えられます。

また、終業後であっても、退社前に社内施設にいる場合は、従業員は企業の施設管理権のもとにあるため、同様のルールを設けることは可能と考えられます。

むしろ、こうした明確なルールや注意喚起をしていなかった場合、情報漏えいが起きた際に、企業側の管理体制が不十分だったと評価されるリスクもあります。研修などを通じて、継続的に周知・徹底させることも重要です。

●投稿した従業員が賠償責任を負う可能性も

──従業員に悪意がなくても、情報漏えいが起きた場合、どのような法的責任が生じる可能性がありますか。

顧客情報などが映り込んだ写真が拡散した場合、顧客から、投稿した従業員本人だけでなく、雇用主である企業に対しても、連帯して損害賠償責任を追及される可能性があります。

また、顧客情報でなくても、社内の機密情報が漏えいし、企業に損害が生じた場合には、企業が従業員に対して損害賠償を請求するケースも考えられます。

さらに、就業規則で定められた服務規律に違反している場合には、懲戒処分の対象となる可能性もあります。

悪気がなくても、投稿ひとつで大きな被害につながることがあります。投稿は一瞬でも、一度SNSで拡散されれば、いわゆる「デジタルタトゥー」として残り続け、従業員本人だけでなく、企業にも長期的なダメージを与えかねません。 「友人限定だから大丈夫」「すぐ消えるから問題ない」とは限りません。そうした意識を持つことが、いまの時代にはますます重要になっています。

【取材協力弁護士】
今井 俊裕(いまい・としひろ)弁護士
1999年弁護士登録。労働(使用者側)、会社法、不動産関連事件の取扱い多数。具体的かつ戦略的な方針提示がモットー。行政における、開発審査会の委員、感染症診査協議会の委員を歴任。
事務所名:今井法律事務所
事務所URL:http://www.imai-lawoffice.jp/index.html

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