
TVerで見られる名作ドラマの中から、今回は「何年も前の話なのに、今見ても輝いている」そんな作品を集めてみました。
■『僕の生きる道』(カンテレ)
中村秀雄は28歳の高校教師。無難に地味に暮らしていたある日、健康診断で病気が見つかり、余命一年と宣告されてしまう。 あと一年しか生きられない、と言われたら……自分ならどうするだろう。 中村先生は、将来のための貯金を使って豪遊したのち、自殺未遂するところまで心が追い詰められる。命の期限を知らされた絶望をこえて、彼はどんなふうに最後の日々を過ごすのか。片思いしている同僚のみどり先生に、気持ちを打ち明けることはできるのか。 中村先生が懸命に生きている姿を見守るうちに、気づくとこちらの方が元気をもらえているドラマです。2003年の作品ですが、少しも色褪せない名作。 そして、中村先生とみどり先生が食事する姿がいつもおいしそう。このドラマを見るたびに、みどり先生の大好物「砂肝」が食べたくなり、食べるって生きることでもあるな、としみじみと思うドラマでもあります。
■『トリック 2』(テレビ朝日)
長く続いているドラマシリーズの、それもシーズン2。未見の人は「そんな中途半端なところから見て、ついていけないのでは」と思うかもしれませんが、このドラマに関しては、短いエピソードの積み重ねなので、いつどこから見ても大丈夫です。そして絶対楽しいです。 自称天才マジシャンの山田奈緒子と、物理学教授の上田次郎。ふたりのもとに持ち込まれる超常現象の謎を解決していくミステリー……なのですが、コメディやパロディがぎっしり詰め込まれていて、殺人事件を見てもあまり怖くない、とても不思議なドラマ。 「山田!」「上田!」と呼び合う癖の強いふたりのやりとりがとにかくおもしろく、ラストは山田の「まるっとお見通しだ!」の謎解きでスッキリ。 今見てもとてもポップな2002年の作品です。
[HEAD]『95』(テレ東)
[/HEAD]こちらのドラマは2024年の作品なのですが、描かれるのはあの、阪神淡路大震災と地下鉄サリン事件があった、1995年。 もうすぐ世界が終わるなんて予言までささやかれた1995年の渋谷で、がむしゃらに生きる高校生を演じているのは、とても若い俳優たち。生まれる前の知らない時代の空気感まで体現できるみなさんが、とにかくすばらしい。 主人公の秋久=Qちゃんを演じる高橋海人さん、歌番組等ではキラキラのアイドルなのに、ドラマでは一転して内向的な男の子に。ごく普通の少年が、いろいろな事件に巻き込まれ、仲間ができて、悩みながらもだんだん強く変わっていく姿がとてもいい。 1995年を知っている世代には懐かしく、若い世代にはきっと新鮮な「あの頃の渋谷」にタイムスリップできる、切なくてほろ苦さのあるドラマです。
※高橋海人の「高」は、正しくは「はしごだか」。

