友人のおしゃれのための待ち時間
そして、45分遅刻して、ようやくさえこから連絡がきた。
「さえこ?ねえ今どこにいるの?早くきてよ」
ようやくうとうとしかけた風香を再び抱っこして、目的地に向かおうとすると案の定目が覚めて、またぐずぐずし始めてしまった。
「あかねー!ごめんごめん! ネイル乾かすのに時間かかっちゃって!わ、風香ちゃん! かわいいー!」
自分の遅刻のせいで風香が泣いていることなんて、微塵も考えていない様子。私の労力、風香の生活リズム。全てが彼女の「ネイル乾かす時間」以下だった。
「ごめんね、さえこ。風香がもう限界みたい。今日はもう帰っていい?」
これが、私が出した精一杯の抵抗の言葉だった。さえこは少し不満そうな顔をしていたけれど、
「えー、もう? せっかく来たのに…じゃあ、また誘うわ」
と、あっさり帰っていった。くるっと彼女が背を向けた瞬間、私は崩れ落ちそうになった。マサトの言う通りだ。もう、限界だ。この子と、この子の生活を犠牲にしてまで、10年の友人という呪縛を守る必要なんて、どこにもない。
あとがき:許せない一線と、母親の決断
あかねさんの心境のクライマックスです。自分の都合だけでなく、「娘の生活リズム」という最も守るべきものが侵害されたことで、友情の重みが完全に消滅しました。ネイルが理由の45分遅刻は、さえこさんの自己中心性を象徴し、あかねさんの「ウキウキ」を打ち砕きます。
「この子を巻き込むわけにはいかない」という母親としての強い決断が、最後の「呪縛」を断ち切る力となりそうです。
※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています
記事作成: ゆずプー
(配信元: ママリ)

