認知症の段階とは?症状や進み方、段階別の接し方、治療法を解説

認知症の段階とは?症状や進み方、段階別の接し方、治療法を解説

認知症の進行を遅らせるためにできること

認知症の進行を遅らせるためにできること

認知症の進行を完全に止めることはできませんが、日常生活の工夫によって緩やかにすることは可能です。魚や野菜を中心とした栄養バランスのよい食事は脳の健康を支えます。ウォーキングや軽い体操など無理のない運動を続けることは血流を保ち、神経細胞の働きを支える効果があります。さらに、十分な睡眠を確保し生活のリズムを整えることも、認知機能の維持に役立ちます。

人との交流や趣味活動も重要な要素です。家族や友人との会話を積極的に持ち続けること、地域の集まりやサークルへの参加、音楽や読書などの活動は脳を刺激し、気持ちを安定させる働きがあります。孤立を避け、社会とのつながりを維持するようにしましょう。

また、糖尿病や高血圧といった生活習慣病を治療・管理することは、脳への負担を減らし進行の遅らせることにつながります。薬の内服に加え、定期的な診察で状態を確認することも欠かせません。

参照:『認知症の予防とケア』(長寿科学振興財団)

まとめ

まとめ

認知症は病型や段階によって症状や必要な支援が変わります。前兆期に気付けば生活の工夫や治療につなげやすく、初期では自立を支える支援が中心です。中期以降は介護サービスや医療との連携が欠かせず、末期には苦痛を和らげ穏やかに過ごせるようなケアが求められます。

薬による治療はアルツハイマー型やレビー小体型では記憶障害や幻視といった主症状に効果が期待できますが、前頭側頭型や脳血管性では主症状に効く薬がなく、環境調整や生活を支える工夫が中心です。認知症の進行をゆるやかにするために、日々の生活では食事や運動、睡眠のリズムを整え、家族や地域とのつながりを大切にしていきましょう。

参考文献

『アルツハイマー型認知症の新しい薬ができました』(東京都福祉局・東京都健康長寿医療センター) 『認知症疾患診療ガイドライン2017』(日本神経学会) 『認知症の予防とケア』(長寿科学振興財団) この記事を書いた人 林 良典

出身大学 名古屋市立大学 / 経歴東京医療センター総合内科、西伊豆健育会病院内科、東京高輪病院感染症内科、順天堂大学総合診療科、NTT東日本関東病院予防医学センター・総合診療科を経て現職 / 資格医学博士、公認心理師、総合診療特任指導医、総合内科専門医、老年科専門医、認知症専門医・指導医、禁煙サポーター / 診療科目総合診療科、老年科、感染症、緩和医療、消化器内科、呼吸器内科、皮膚科、整形外科、眼科、循環器内科、脳神経内科、精神科、膠原病内科

配信元: Medical DOC

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