朝起きてから子どもが「首が痛い」と訴えてくる。これってもしかして寝違えた?でも、子どもも寝違えることってあるの?そんな疑問について、まえだ整形外科リウマチクリニック院長の、前田俊恒先生にお聞きしました。

子どもも寝違えることはある?首の痛みの原因と家庭でできる対処法
朝起きたときに「首が痛い」「動かせない」と訴える・・いわゆる『寝違え』は大人に多いイメージがありますが、実は子どもにも起こります。保護者の方にとっては突然の症状に驚かれ不安になることも多いでしょう。しかし、子どもの首の痛みには、単なる寝違えではない「成長期特有の注意すべき疾患」が隠れていることもあります。今回は、子どもの寝違えの特徴と注意点、家庭でできる対処法について、整形外科医の視点からわかりやすく解説します。
子どもも寝違えることはある?
結論からいうと、子どもでも寝違えは起こります。大人の場合、慢性的な肩こりや運動不足が背景にあることが多いですが、子どもの場合は少し原因が異なります。たとえば、遊びやスポーツで体が過度に疲れていると、不自然な体勢のまま深く眠り込んでしまい、首に負担がかかることがあります。また、大人用の高い枕を使っていたり、ソファで無理な角度のまま寝てしまったりするなど、寝具や寝る姿勢が合っていない場合も原因となります。さらに、首周りが冷えることで筋肉が硬くなり、寝返りの際に筋を痛めてしまうこともあります。
特に最近は、スマートフォンやタブレットの使用時間が増えており、首や肩に負担がかかりやすくなっています。そのため、日中の姿勢の悪さが積み重なり、朝の痛みとして現れることもあります。
どんな症状が出るの?
子どもの寝違えでは、
・首を動かすと痛い
・特定の方向に向けない
・無理に動かそうとすると強く痛がる
といった症状が見られます。
多くの場合、数日以内に自然に改善しますが、痛みが強くて動けない場合や、元気がない場合は注意が必要です。

家庭でできる対処法は?
基本的には、無理に動かさず安静にすることが大切です。
(1)無理に首を動かさない
痛みを我慢して動かすと、炎症が悪化することがあります。
(2)痛いときは揉まない
「痛いところを揉めば治る」というのは間違いです。炎症を起こしている場合、揉むことで悪化させてしまいます。
(3)痛みの強い初期は冷やす
炎症が強い場合は、タオルで包んだ保冷剤などで軽く冷やすと楽になることがあります。
(4)少し落ち着いたら温める
2〜3日して痛みが軽減してきたら、入浴などで温めて血流を良くするのも効果的です。
(5)楽な姿勢を保つ
クッションなどで首を支え、負担の少ない姿勢をとらせてあげましょう。
注意すべき症状(受診の目安)は?
多くは自然に治りますが、以下のような場合は早めに医療機関を受診してください。
◎強い痛みが数日以上続く
◎発熱を伴う
◎腕のしびれや力が入りにくい
◎首が全く動かせない状態が続く
◎転倒や外傷のあとに痛みが出た
特に子どもでは、まれに「環軸関節回旋位固定(首の関節のずれ)」や感染症、筋性斜頸などが隠れていることもあるため注意が必要です。
小児科?整形外科?どこを受診すればいい?
軽い痛みで全身状態が良好であれば、まずは経過を見ることも可能です。ただし、痛みが強く首を動かせない、痛みの箇所がはっきりしている、首をかしげたまま動かないなど、骨、関節、筋肉のトラブルが疑われる場合は整形外科の受診が適しています。
一方で、首の痛みだけでなく、発熱や全身のだるさがある場合、嘔吐や意識がぼーっとしている場合は、感染症の可能性もあるため小児科の受診を優先してください。迷った場合は、まずかかりつけ医に相談すると安心です。
予防のポイントは「日常の姿勢」
寝違えを繰り返さないためには、日常の姿勢を見直すことが重要です。
○スマホやタブレットは目の高さで使う
○長時間同じ姿勢を避ける
○枕の高さを見直す
○適度に体を動かす
こうした習慣が、首や肩への負担を減らします。
まとめ
子どもでも寝違えは起こりますが、多くは一時的なもので、適切に対応すれば自然に改善します。ただし、症状の程度や経過によっては、注意が必要なケースもあります。子どもの体は柔軟ですが、その分、成長過程での「ゆがみ」の影響を強く受けます。
「いつもと違う痛み方をしていないか」「元気はあるか」といった視点で見守りつつ、無理をさせず適切に対応することが大切です。日頃から姿勢や生活習慣を整えることが、予防につながります。
※記事の校閲にAIを使用しています。
執筆者

前田俊恒
まえだ整形外科リウマチクリニック院長
医学博士/整形外科専門医/リウマチ専門医/リハビリテーション科専門医
肩こり・腰痛・関節痛などの慢性疼痛から、関節リウマチ、骨粗鬆症、スポーツ障害まで幅広く診療。
日常生活に根ざした運動指導・セルフケアの啓発にも力を入れている。肩や膝、腰の痛みなど日常の体の不調や体のゆがみを整えるセルフケアについても、医学的根拠に基づいた分かりやすい解説を行っている。

