Q. 今パートナーはいないけど、将来子どもは欲しいかも……。卵子凍結について知りたい。
A. 技術が進化し生存率も増加。ただし、ある程度費用はかかります。少しでも若い卵子を残しておきたい、今ではないけど将来子どもを産みたい、悪性腫瘍があり抗がん剤や放射線治療をする。そのような理由で卵子を凍結し出産に備える場合もあります。卵子凍結は、受精卵凍結よりも困難とされてきましたが、近年技術が進化し、ある程度経験&技術のある施設で行えば、卵子の生存率は80~90%といわれています(受精卵の生存数は95~99%程度)。
ただし、妊娠したいタイミングで凍結した卵子を使えばすぐに妊娠する、という単純なものではありません。そもそも精子と受精するとは限らず、35~37歳の1個の卵子あたりの出産率は7.3%。卵子の数があるほどに妊娠率は上がりますが、採卵1回につき病院によって20~50万程度かかり、保管するのも特別な施設で行うため、一年ごとに更新料などの費用がかかります。排卵誘発をしたり、卵巣に針を指して採取をしたりとからだへの負担もないわけではないので、卵子凍結には肉体的&金銭的な覚悟はある程度必要です(竹内先生)
※出典:Fertil Steril 2016;105:459より作成
Q. ぶっちゃけ何歳まで産めますか?
A. 個人差はあるので断言はできません。とはいえ治療するなら早めに! 出産経験のある・なしや体質、環境などによって変わるので、いくつまでに産めるとは個人差があるので断言はできません。
興味深いデータが、日本は体外受精の実施件数が世界2位。しかし日本の性行為頻度は41カ国中、世界最下位という結果。1位のギリシャは年138回、世界平均の年108回に対し、日本は平均年45回と際立って低い。性交と妊娠率の調査においても、週1回の性交で妊娠率が15%に対し、隔日では33%、毎日では37%に上がります。回数が増えることで妊娠率が上がるのは考えれば分かることですが、日本はそもそも性交回数が少な過ぎる。だから、子どもを望んでいてもなかなか妊娠できず、先延ばしにした結果、体外受精に行き着くケースが多いんです。そして晩婚、晩産化が進んでいることもあり、妊娠しづらいと気づく年齢も高いんですよね。
近年では、卵子や受精卵の凍結技術も日本はトップクラスといわれ、体外受精の技術も進化したこともあり、産める年齢が以前より上がっているのは事実。とはいえ、高齢出産は染色体異常や流産のリスクが増えてしまいます。それは自然妊娠、体外受精のどちらも同じこと。だからこそ、妊娠を望むのであればパートナーとの性交回数を増やす、不妊治療をするのであれば早い段階から行うのが賢明です(竹内先生)
日本人は調査された41カ国中、最下位。※出典:Durex Global Sex Survey 2005より作成
日本はかなりの生殖補助医療実施国! 世界2位。※出典:ICMART World Report 2016より作成

