
仲野太賀が主演を務める大河ドラマ「豊臣兄弟!」(毎週日曜夜8:00-8:45ほか、NHK総合ほか)の第17話が5月3日に放送され、織田信長(小栗旬)を裏切った足利義昭(尾上右近)の追放と、浅井長政(中島歩)の悲劇的な最期が描かれた。(※以下、ストーリーのネタバレがあります)
■武田信玄が織田信長へ侵攻…しかし事態は急変する
1572年(元亀3年)10月、15代将軍・足利義昭(尾上右近)の要請に応じた武田信玄(高嶋政伸)が、ついに信長討伐へ向けて動き出す。総勢25,000の兵を率いて遠江へ侵攻した武田軍は、三方ヶ原の戦いで徳川家康(松下洸平)を圧倒。この勝報に勢いづいた義昭も、自ら挙兵し信長追放へと舵を切る。
しかし、歴史の歯車は思わぬ方向へ回る。信玄が自らついたと思われる餅を手にしたまま急死するという事態に見舞われたのだ。重臣・山県昌景は、混乱を避けるため、後継者の勝頼にさえその死を伏せる苦渋の決断を下す。

■室町幕府の終焉…足利義昭の追放
1573年(元亀4年)春。後ろ盾だった武田軍の撤退を知った義昭は、一転して窮地に立たされる。信長は義昭に対し、「お命を取るつもりはありません。京を離れていただきます」と冷徹に宣告。
義昭の家臣であった明智光秀(要潤)は、信長の命を受け二条御所を跡形もなく打ち壊すことに。声を荒げながら壊していく光秀は、ふと庭の藤戸石の前で足を止める。不格好に削られ、砕け散った石が落ちているその姿を見て、光秀は義昭の無念を想い、刀を振り下ろすのだった。
藤吉郎(池松壮亮)と小一郎(仲野)に連れられ、京を去る義昭。彼は「信長が嫌になったらいつでも頼ってまいれ」と笑みを浮かべ、歴史の表舞台から去っていった。こうして、15代続いた室町幕府は幕を閉じた。

■織田軍の猛烈な侵攻…朝倉、100年の歴史に幕を下ろす
信長は間髪入れず、再び虎御前山に陣を構え、朝倉・浅井攻めの仕上げにかかる。朝倉義景(鶴見辰吾)は浅井側が先に攻撃するのを待っていたが、織田軍の猛攻と家臣の離反により壊滅。
一乗谷へ逃げ帰った義景は、信長に城を渡すまいと城に火を付けるよう朝倉景鏡(池内万作)に命じたところ、背後から斬られる。景鏡は義景の首級を持ち降伏。これにより、100年以上続いた越前朝倉氏は滅亡した。

■「ざまあみろ、信長」浅井長政、義兄・信長と最期の相撲
朝倉という盾を失った浅井軍は、小谷城で孤立無援となる。長政の父・浅井久政(榎木孝明)が自害し、残るは本丸の長政のみ。藤吉郎、小一郎、柴田勝家(山口馬木也)は信長に直談判し、和睦交渉の場を設ける。
本丸で待っていたのは、長政と信長の妹・市(宮崎あおい)。「殿はお2人とお子たち、みんなお連れして参れとおおせです」と和睦を勧める兄弟に対し、長政は「そなたを守るため朝倉に従い織田を裏切った。だがあの時わしは天下がほしいと思うたのじゃ。織田を倒し天下をその手に。今ならそれができると。だからわしは義兄上を裏切った。そなたを裏切った。すまん――」と裏切りの真意を明かす。
小一郎は「生きたくても生きられない人のためにも生きるべきだ」と訴えるが、長政は「どちらが正しいか答えはない」と告げ、最後に相撲を挑む。必死に組み合う彼らの姿は、かつて義兄弟として親睦を深めた長政と信長の姿に重なる。長政は、幻影のなかの信長を投げ飛ばし、「勝った…ざまあみろ、信長」と満足げに笑った。

■“月となった大男”の物語 そして悲しき介錯
長政は市に娘・茶々たちへのお守りを託し、「いつまでもそなたらしく強く生きてくれ。わしはそんなそなたが大好きであった」と最期の言葉を残す。
言葉に詰まり、背中を向け立ち去った市。その姿を見た小一郎が、突然物語を話し出す。それはかつて、信長と小谷城を訪れた時、兄弟が市に聞かせた物語の続きだった。
“少女を助けるため、湖の水を全て飲み干した大男。大男はその娘のことが大好きだった。しかし抱きしめようとしても、腹がじゃまして抱きしめれらない。大男は娘を抱きしめるために「どうかこの針を私の腹に刺してください」と娘に頼んだ。水が噴き出し空へと昇って行った大男は、月となってその娘をいつも優しく見守るようになったという。”
「いつも思うておった。兄上が太陽、殿は月のようじゃと」と涙ながら思いを口にした市は、小一郎から刀を受け取り、一人長政の元へと戻る。
切腹し、意識が遠のく長政の前に現れた市は、「すぐに楽にして差し上げまする。私は変わりませぬ。いつまでもあなた様をお慕いしておりまする」と告げ、自らの手で夫を介錯した。

■長政&市の別れに視聴者号泣 物語の伏線演出に「残酷なまでに美しい終わり方」と称賛の声
室町幕府の終焉と長政の最期が描かれた今回、SNSでは「公方様の無念の涙が切なかった…」「最後まで光秀を気にかけている優しい公方様…」「思い出の二条御所を光秀が破壊するシーン、辛かった。本能寺の変へ繋がるのが分かる気がする」と、歴史の転換点に漂う哀愁への共感が相次いだ。
また、長政と市の別れには「お市様を愛し抜いた悲しい最期に涙が止まらない」と号泣する視聴者が続出。特にかつて話した物語の続きが介錯の伏線となっていた演出には、「兄弟の昔話が、介錯につながるなんて…号泣」「残酷なまでに美しい終わり方」「お市様自らの介錯が切なすぎる」と、そのドラマチックな最期を惜しむ声が溢れた。
◆文=ザテレビジョンドラマ部

※宮崎あおいの「崎」は正しくは「たてさき」、高嶋政伸の「高」は正しくは「はしごだか」

