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近年、日本では気温だけでなく日本近海にて海面水温が大きく上昇しています。海面水温の上昇は異常気象や魚介類の生態など広範に影響し、私たちの生活を左右します。
そこで、本記事では海面水温の長期変化傾向や上昇の原因、気象災害との関連を気象予報士が解説します。
海面水温の上昇によるリスクを把握し、できるかぎり対策をとりましょう。
海面水温の長期変化傾向
昨今の日本は気温だけでなく、海面水温も上昇し続けています。以下の表は、日本近海における海面水温の長期変化傾向です。

出典:気象庁「海面水温の長期変化傾向(日本近海)」
日本近海における「2024年までの海域平均海面水温(年平均)」は、1920年からの100年間で+1.33℃となりました。世界全体平均の海面水温上昇(100年あたり+0.62℃)に比べ、約2倍以上となっています。
これまで、日本近海の海面水温は長期的な昇温傾向とともに、十年規模の変動がありました。例えば、近年は2000年頃に高く2010年頃に低くなりました。
これまでの傾向を参考にすると、2020年頃に海面の水温低下が予想されました。しかし実際には下がらず、むしろ急上昇している状況です。
日本近海の海面水温が上昇する要因
日本近海の海面水温が上昇する大きな要因は、気温の上昇です。以下の図は、日本の年平均気温偏差を表しています。
出典:気象庁「日本の年平均気温偏差」
海面水温の上昇と同様に気温も上昇しており、海面水温と気温には密接な関係があると考えられます。
