
ホラーや怪奇モノの作品は、海外の監督やスタジオ制作だと日本と少しテイストが変わって、より不気味に描かれることがある。タイ発の世界的な話題作を原作とした日本版リメイク「転校生ナノ」は、FODで独占配信中の学園ミステリー・スリラーだ。本作で俳優デビューとなる仲島有彩を主演に迎え、堤幸彦、熊切和嘉、ユ・ヨンソン、畑中みゆきというアジアを代表する4人の監督が参加し、全6話がオムニバス形式で描かれる。episode5.は、嫉妬心をこじらせた女子高生が、トイレの壁に本音を書き始めたことで変化が起きていく不思議なストーリー。ゾッとする展開を少し紹介しよう。(以下、ネタバレが含まれます)
■謎のオーラをまとった転校生が次なる学園へ
「転校生ナノ」は、学園という閉鎖空間を舞台に、ある日突然やってきた謎の転校生・ナノ(仲島)によって、閉ざされた日常が揺らいでいく学園モノのミステリー。原作ドラマは、2018年にタイで誕生したシーズン1に始まり、新シーズン「Girl From Nowhere: The Reset」もChannel ONE HD 31、oneDストリーミングプラットフォームおよびNetflixにて放送・配信中だ。
■壁に書いた望みが叶うようになり、呪いの言葉を書いてしまう
episode5.のサブタイトルは「憎しみの壁」。弓道部の春香(田牧そら)は、憧れの先輩ミユ(黎架)の隣に立てる存在でありたいと願っていた。そんな中、ナノが弓道部に入部し、才能と存在感で瞬く間に人気者になっていく。強い嫉妬心を抱いた春香が、衝動のままトイレの壁に書いた“願い”は、やがて現実を歪め始める。的中する矢、逆転する評価、そして暴走する好意。言葉は次第に呪いへと変わり、春香の日常を侵食していく。そしてナノは、事態をほほ笑みながら不気味に見つめる。
■韓国の監督、日本の新人女優で仕上げたタイ発ホラーの恐ろしさ
episode5.の脚本と監督を務めたのは「殺人女優」(2024年公開)や「ヨコクソン」(2021年公開)など、韓国で数々の作品を手掛けてきたユ・ヨンソン。「『転校生ナノ』は、創作者の好奇心を強く刺激する魅力を持ったキャラクターであり、彼女の世界観を形にしていく過程は非常に刺激的で楽しい経験でした」と語り、主演の仲島について「純粋なイメージの中に善と悪、光と影の両面を自然に宿せる俳優であり、役に深く入り込むために努力を惜しまない真摯な姿勢が非常に印象的でした」と信頼を寄せた。
監督が「本作におけるナノの世界は、美しくも恐ろしい“欲望の地獄絵図”であり、抗えない悪魔の微笑みを映像に刻むことを強く意識しています」と表した、背筋の凍るようなホラー描写に注目。女子高生・春香が出来心で壁に書き始めた小さな愚痴が、取り返しのつかない騒ぎになっていくスピード感を体感してほしい。

