胆石症による痛みには、ほかの腹痛とは異なる特徴があります。疝痛と呼ばれる鋭い差し込むような痛みや、慢性的な鈍痛など、痛みのタイプはさまざまです。痛みの持続時間や受診の目安を知ることで、症状が出た際に適切な対応ができるようになります。

監修医師:
中路 幸之助(医療法人愛晋会中江病院内視鏡治療センター)
1991年兵庫医科大学卒業。医療法人愛晋会中江病院内視鏡治療センター所属。米国内科学会上席会員 日本内科学会総合内科専門医。日本消化器内視鏡学会学術評議員・指導医・専門医。日本消化器病学会本部評議員・指導医・専門医。
胆石症の痛みの特徴と持続時間
胆石症の痛みにはいくつかの特徴があり、他の腹痛と区別するための重要な手がかりとなります。痛みの強さや持続時間、出現パターンを把握することで、適切なタイミングで受診につなげることができます。
疝痛と鈍痛の違い
胆石発作による痛みは、「疝痛(せんつう)」と呼ばれる差し込むような鋭い痛みが代表的です。この痛みは波のように強くなったり弱くなったりすることがあり、身体を動かすと悪化することもあります。一方、慢性的な胆石症では、鈍い痛みや重苦しい不快感が続くこともあります。これは胆嚢壁の慢性的な炎症や胆汁のうっ滞によるものです。疝痛は急性期のサインであり、早急な対応が求められます。鈍痛が長期間続く場合も、胆嚢の機能低下や癌の合併の可能性を考慮して、医師の診察を受けることが重要です。痛みの種類によって治療の緊急度が変わるため、自分の感じている痛みを正確に医師に伝えましょう。
痛みが続く時間と受診の目安
胆石発作の痛みは通常30分から数時間続きます。痛みが6時間以上持続する場合や、市販の鎮痛薬を使っても改善しない場合は、炎症が進行している可能性があります。また、痛みが一度治まった後も繰り返し発作が起こる場合は、結石が胆嚢や胆管に詰まったり外れたりを繰り返している状態と考えられます。発作を繰り返すと胆嚢壁が厚くなり、炎症が慢性化するリスクが高まります。初めての発作であっても、強い痛みや発熱、黄疸を伴う場合は、夜間や休日でも救急外来を受診することをおすすめします。我慢せず早めに対処することが、重症化を防ぐ鍵です。
まとめ
胆石症は、無症状のうちに進行することもあれば、突然の激痛で発覚することもある病気です。右脇腹の痛みや食後の不快感、吐き気といったサインを見逃さず、早めに受診することで、重症化を防ぎ、生活の質を保つことができます。治療法は手術が中心ですが、腹腔鏡手術の進歩により、身体への負担は大きく軽減されています。日々の食生活や体重管理、適度な運動を心がけることで、胆石症のリスクを減らすことも可能です。気になる症状がある方は、消化器内科や外科を受診し、専門医の診察を受けることをおすすめします。
参考文献
日本消化器病学会「胆石症診療ガイドライン2021(改定第3版)」
日本消化器病学会「胆石症ガイド2023」
国立がん研究センター がん情報サービス「胆道がん(胆管がん[肝内胆管がんを含む]・胆のうがん・十二指腸乳頭部がん)」
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