メディカルドック監修医がストレスが限界に達した時に出る症状・セルフチェック法などを詳しく解説します。
※この記事はメディカルドックにて『「ストレスが限界に達した時に出る症状」はご存知ですか?対処法も医師が解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

監修医師:
今村 英利(ネムクリニック下井草院)
2009年新疆医科大学を卒業し、中国医師免許を取得。2019年に日本医師免許を取得。神戸大学大学院(腫瘍・血液内科学講座)にて血液悪性腫瘍の研究に従事。2019年に日本医師免許と医学博士号を取得。赤穂市民病院、亀田総合病院、新宿アイランド内科クリニック院長、在宅医療(訪問診療)などを歴任後、2024年9月ネムクリニック下井草院に院長として着任。現在は、内科・皮膚科全般の疾患を幅広く診療している。
「ストレスが限界に達した時に出る」症状で考えられる病気と対処法
ストレスは日常生活を送る中で誰しもが感じるものです。ストレスをゼロにすることは必要ありませんが、過度なストレスは心身を侵して重大な病を引き起こす可能性があります。ご自身で解決できるストレスもありますが、場合によっては急いで病院に行く必要があります。病気や対処法について具体的にみていきましょう。
ストレスが限界に達した時に出る主な症状と対処法
ストレスが限界に達したときに出る症状は主に心の症状と体の症状とに分けられます。心の症状には気分の落ち込み、イライラしやすい、不安が強い、やる気が出ない、涙がでてくる、普段楽しめていることが楽しめないなどがあります。
体の症状は不眠・過眠、食欲がわかない、疲れが取れない、おなかが痛い、頭痛、めまい、動悸、肩こり、時には耳が聞こえなくなくなることもあります。
イライラしたときには深呼吸をして気持ちを落ち着かせることが大事です。また睡眠を毎日十分にとることや食事を規則正しくとることも大事であり、日常生活を見直すことなどで症状がよくなることもあります。
考えられる病気としては、うつ病や適応障害、自律神経失調症、突発性難聴などがあります。心の症状の場合には精神科・心療内科に受診することが大切です。
一方で、体の症状が出ている場合にはまずはそれぞれに対応する診療科に行くことが大切です。例えば腹痛があるときには消化器内科を中心とした内科、耳が聞こえない場合には耳鼻科にいくことが重要です。
大人・社会人でストレスが限界に達した時に出る主な症状と対処法
大人や社会人でストレスが限界に達して具体的に症状が出ている場合には病院の受診を薦めます。社会人の方で医師の診察によりこのままの形での仕事の継続が厳しいと判断されることがあります。その場合には一時的に休職することや仕事の部署を変更するという形での対策をとってもらうことも可能です。社会人の方は責任感が強く無理をしてしまうことも多いので注意が必要です。会社や仕事も大事ですが、健康があってのものなので無理のし過ぎは禁物です。
中学生や高校生でストレスが限界に達した時に出る主な症状と対処法
学生の場合には家族間の人間関係だけではなくクラスや部活動、委員会などたくさんの人との関わりがあります。他にも受験や未来への不安などと考えることが色々ある多感な時期です。いじめや孤立感による登校拒否も決して少なくありません。今の時代は通学生の学校に毎日通う以外にも選択肢はたくさんあります。病院に早めの受診をすることは病気の治療だけではなく様々な選択を知っている精神科医と今後の方針を一緒に考えていくという意味でもとても大切です。
すぐに病院へ行くべき「ストレスが限界に達した時に出る」症状
ここまでは症状が起きたときの原因と対処法を紹介しました。
応急処置をして症状が落ち着いても放置してはいけない症状がいくつかあります。
以下のような症状がみられる際にはすぐに病院に受診しましょう。
睡眠や食事が取れていない場合や、死について考えることがある場合は、精神科・心療内科へ
ストレスが限界に達すると、精神面で不安定になりうつ状態になり、気分が落ち込んだり、なにも楽しめなくなります。また、お腹が痛い、めまいがあるなどの体の不調も出現します。このような強いストレスにより症状が出ている場合には、精神科・心療内科への受診をしましょう。特に、睡眠や食事をとれていない時や死について考える様子がある場合には、急ぎの受診が必要です。
受診・予防の目安となる「ストレスが限界に達した時に出る」症状のセルフチェック法
・ストレスが限界に達した以外に睡眠の質が悪い場合
・ストレスが限界に達した以外にご飯を食べられない症状がある場合
・ストレスが限界に達した以外にしについて考えてしまう時間がある場合

