
市川染五郎が5月8日、都内で開催された舞台「ハムレット」囲み取材に、當真あみ、石黒賢、柚香光、梶原善、石川凌雅、横山賀三、演出のデヴィッド・ルヴォーと共に出席。本作への意気込みや、膨大なせりふについて語った。
■市川染五郎、一番大変だったことを明かす
本作は、人間の苦悩を深く描いた傑作として長きに亘り愛されてきたシェイクスピアの四大悲劇の一つ。主役の王子ハムレットを演じるのは、新時代の歌舞伎俳優・染五郎。祖父・松本白鸚、父・松本幸四郎も演じてきたハムレット役で、ストレートプレイ初出演、初主演に挑む。ハムレットの恋人・オフィーリア役は舞台初挑戦となる當真が演じる。
ストレートプレイ初出演、初主演ということで、一番大変だったことを染五郎は「ルヴォーさんから受け取るものをひとつひとつ自分の中で整理して、今回のハムレットを演じる上でどれを選択していけばいいのか。それを稽古場で1個1個見つめながらやっていく作業は、役者としてこんなにおもしろい時間はなかったんですけど、もちろん大変さもありました」と告白。
何を選べばいいのか、何を決断すればいいのかという感情はハムレットと同じ感情だと話し「ハムレットも常にどういう選択をして生きていけばいいのかを考えながら生きている。何百年と世界中の方が手掛けてきた作品ということもあって、演じる役者もどこか自然にハムレットと一心同体になってしまうようにできている、それくらいの作品なんだなと思います」と語った。「染五郎という役者とハムレットが一心同体となってお見せできるものがなんなのかを、初日に入ってから探っていきたいと思っています」と意気込んだ。

■市川染五郎、歌舞伎との違いはあまり感じず
膨大なせりふをどのように覚えたのかと聞かれると、染五郎は「どうやって覚えたんでしょうね(笑)。稽古をやりながら、何度も繰り返すことで染み込んでいく部分もあります」と回答。続けて「覚えるというより、ハムレットの心の動きの段階をグラデーションにして作って、そこに言葉が乗っかっているという感覚でせりふとして出てきているという感じです」と語り「言葉を言おうと思って言っているわけではなく、まず思考があって言葉が生まれてくる。その流れをきっちり作ることで自然と言葉も出てくるのかなと思います」と考えを明かした。
歌舞伎との違いを染五郎は「舞台となっている国も、時代も現代の日本とは違うわけですけど、そういうものをお客様の前で立体化させるというところは、歌舞伎も歌舞伎ではなくても同じだと思います」とコメント。「そこまで違いというのは感じていないですね」と打ち明けた。
◆取材・文=朝日奈風果


