「別れ」からの「成長」がポジティブな考察を生む
このドラマが単なる男女のバトルで終わらず、多くの視聴者に継続視聴を誓わせているのは、物語の起点である「別れ」が「自己再生」のスイッチとなっている点です。振られた勝男が、初めての自炊で筑前煮作りに悪戦苦闘し、「当たり前」の価値観を問い直す姿は、ユーモラスでありながらも真摯な「ジェンダー規範の風刺」として機能しています。
視聴者は勝男の成長だけでなく、自分を見失っていた鮎美の再生にも強い期待を寄せています。
「自分の人生を仕事に全振りすることも悪いことではないやんね。鮎美も勝男も、努力して変わる姿に希望が持てる」
「次回楽しみ!勝男がめんつゆを卒業して、鮎美が家事以外で輝く姿が見たい」
憎悪をあおるのではなく、努力と挑戦によって人は変われるというポジティブなメッセージが、ポスト#MeToo時代における「男の無自覚」を描く上で、多くの共感を呼んでいるのです。
キャスティング変更が巻き起こした「追い風」と原作ファンの熱量
当初予定されていた吉沢亮さんから竹内涼真さんへのキャスティング変更も、Xでの話題性を高める「追い風」となりました。
「めんつゆのくだりから見て、竹内涼真が勝男なのめっちゃ理解。吉沢亮よりリアル」
「大好きな漫画のドラマ化、竹内涼真がエビカツ(勝男)でよかった」
この変更が、ファンの中で「ハマり役」として受け入れられたことが初回の高視聴率を後押ししました。さらに、累計40万部を突破した原作マンガのファン層が、「絶賛してる感想たくさん流れてきて嬉しい」とXで熱心にドラマを支持。原作ファンによる拡散も、「共感の共有場」としてのXをさらに加熱させたのです。
『じゃあ、あんたが作ってみろよ』は、単なるエンタメを超え、「家事」「ジェンダー」「当たり前」という現代社会のテーマを笑いに昇華し、視聴者同士のリアルタイム実況を通じて社会議論を巻き起こす、秋クールドラマのダークホースとして、今後の展開からも目が離せません。
(LASISA編集部)

