生まれたときからお母さんに溺愛され、大切に育てられてきた小学5年生の坂田ゆめひろくん。歪んだ愛情のもと大きくなったゆめくんは、どんどんワガママになっていきます。そんなゆめくんに振り回されているのが、同級生の田代カイトくんとその友だちです。体育の授業で無理やりグループに割り込んできたり、遊ぶときのルールを守らなかったりとやりたい放題。さらに、先生まで「坂田くんに合わせてあげなさい」という始末です。自分たちばかりが我慢しなければならない状況に、カイトくんたちは不満を募らせていました。
どれだけ先生に訴えても、自分たちだけが悪者扱い。あまりにも理不尽な状況から身を守るため、カイトくんたちは「ゆめくんが来たら遊ぶのをやめてバラバラに逃げる」という究極の自衛策を決行します。作戦は見事成功したように思えましたが……。
まさか、いじめ……!?








カイトくんたちの「逃亡作戦」が数日続き、戸惑うゆめくん。数日後、悲しそうな顔で帰宅すると、お母さんに「どうしたの?」と聞かれました。「みんなが変なんだ……俺が行くと、みんなどこかに行っちゃう」と、涙ながらに訴えました。
ゆめくんの言葉を聞いたお母さんは、すっかり気が動転。ゆめくんに改めて事情を聞くと「そんなのいじめでしょ! こんなにかわいいゆめくんに意地悪するなんて!」と怒りがこみ上げてくるのでした。
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自分が避けられている理由から目をそらし、「みんなが変なんだ」と周りに原因があると考えてしまったゆめくん。本来であれば、「なぜみんなが離れていくのだろう」と自分の行動を振り返る大切な機会だったはずです。しかし、お母さんが「それはいじめだ」と先に決めつけてしまったことで、ゆめくんが自分を客観的に見て振り返る機会は失われてしまいました。
子どもがつらさを訴えてきたとき、親はどうしても感情的になり、守りたくなるものです。ただ、そのときこそ一度落ち着いて「何があったの?」と事実を丁寧に聞き、子ども自身が状況を整理できるように促す冷静さを持つことが大切なのかもしれません。
次の話を読む →著者:マンガ家・イラストレーター 神谷もち

