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「お腹の子どもに魂は宿っていないから堕ろして」妊娠中に彼氏の母から暴言、慰謝料はとれる?

「お腹の子どもに魂は宿っていないから堕ろして」妊娠中に彼氏の母から暴言、慰謝料はとれる?

子どもに魂は宿っていないから堕ろして──。交際相手の母親からそんな言葉を投げかけられたという相談が、弁護士ドットコムに寄せられています。

相談者によると、妊娠がわかった際、彼氏の母親から中絶を求められたほか、「やせろ」「こんなこともできないのか」といった暴言を繰り返し受けたといいます。

しかも、こうした発言は、彼氏やその父親の前でもされていたといいます。

パートナーの家族から受けるこうした言動について、慰謝料を請求することは可能なのでしょうか。男女問題にくわしい木下貴子弁護士に聞きました。

●慰謝料が認められるかは「内容と頻度」がポイント

──交際相手や配偶者の家族から「子どもを堕ろして」などと暴言や嫌がらせを受けた場合、慰謝料を請求することは可能でしょうか。

「暴言」や「嫌がらせ」と感じる言動のすべてが、直ちに慰謝料請求の対象となるわけではありません。

たとえば「死ね」「バカ」「デブ」「ブタ」「役立たず」など、人格を否定するような発言は、違法と評価される可能性があります。

ただし、こうした発言が1回あったくらいでは、慰謝料が認められない、あるいは認められても少額にとどまるケースが多いでしょう。

一方で、暴言が繰り返される場合には、一定程度の慰謝料が認められると考えられます。

また、中絶を求める発言については、妊娠中という心身ともに極めて不安定な時期において、本人の意思決定に強く影響を及ぼすものです。

中絶を求めるという「内容」は、それだけで人格を否定するような発言と認定するのは難しいですが、発言の態様や関係性、頻度によっては、精神的苦痛が大きいと評価される可能性があり、慰謝料が認められる可能性があります。

●名誉毀損や「マタハラ」に該当するか

──他の人の前で暴言を吐くことは考慮されますか。

彼氏やその父親といった第三者の前での発言である点は、精神的苦痛の大きさを評価する事情にはなり得ます。

ただし、こうした場面は不特定多数に向けられたものではなく、「公然」と事実を摘示したとは評価されず、名誉毀損による慰謝料請求は認められにくいと考えられます。

なお、「マタハラ」は、主に職場において妊娠や出産などを理由に不利益な扱いをしたり、言動による嫌がらせで精神的苦痛を与え就業環境を悪化させたりする行為を指します。

今回のケースのようにパートナーの家族による言動は一般的には該当しないでしょう。

【取材協力弁護士】
木下 貴子(きのした・たかこ)弁護士
離婚・親権・養育費の分野で1400件以上の案件を扱う。「離婚後の親子関係の援助について」「養育費」をテーマに講演。離婚調停での「話し方」アドバイスブックはこれまでに2万人以上が利用している。著書「離婚調停は話し方で変わる」「離婚回避・夫婦関係修復につなげる話し方の技術」がAmazon法律部門他ランキング第1位獲得。
事務所名:多治見ききょう法律事務所
事務所URL:https://tajimi-law.com/

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