
小芝風花が5月10日に都内で行われた「第34回橋田賞」授賞式に登壇した。
■小芝風花、大河ドラマでの物語に華やかさと深みをもたらした演技が評価
「橋田賞」は、2021年に死去した脚本家・橋田壽賀子さんが創設した賞で、人の心、人と人との触れ合いを温かく取り上げ、広く大衆に支持され、感動を呼び起こした芸術性豊かな番組、作品、人物であることが選考基準となっている。橋田文化財団が「視聴者の心に響き、記憶に残るような良質な番組を多く制作してほしい」という想いと「高い志を持つ放送人に次々と育ってほしい」という願い、そして放送文化を支える人たちにエールを送る気持ちを込めて「橋田賞」を贈り顕彰している。
小芝は、大河ドラマ「べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜」(NHK総合ほか)においての、花魁を力強く繊細に演じ、物語に華やかさと深みをもたらした演技、そして「あきない世傳 金と銀」シリーズ(NHK BS)での堂々たる主人役、「19番目のカルテ(TBS系)や「私の夫と結婚して」(Prime Video)などでの役ごとに異なる魅力を鮮やかに表現し、存在感を際立たせたという理由で同賞を受賞。
シックな雰囲気の黒のオフショルドレス姿で登壇した小芝は、「このたびは、栄えある賞をいただきまして本当にありがとうございます」と感謝の気持ちを伝え、「『あきない世傳 金と銀』はシリーズも3まで来て、3年にわたって撮影してきました。スタッフの皆さんもほとんど変わらず同じメンバーで撮影してきたので、現場の士気も高いです。もともと続編が決まっていたわけではなく、見ていただいた方からの温かい声があって続編を作ることになってシリーズ3まで来ました。丁寧に愛情をもって作品に臨んだら、ちゃんと見ててくれる人がいるんだなと実感しました」と語った。

■小芝風花「乗り越えなければいけない“試練”がたくさんあって」
さらに、「大河ドラマ『べらぼう』では、自分の中ですごく“課題”というか、乗り越えなければいけない“試練”がたくさんあって。台本を読むと、自分がいただいた役に感情移入しすぎて、何度同じページをめくっても涙が溢れるくらい本当に脚本が素晴らしく、『どうやったら、この素敵な役を皆さんにお届けできるんだろう』と、すごく葛藤もあったんですが、この作品を通して、時間は掛かりましたがこだわったものはしっかりと届くんだなと学びました」と、撮影で今後に生かせる経験をしたことを明かした。
そして「これからも、この賞に恥じないように、ドラマ、そして時代劇にたくさん携わっていきたいなと思います」と今後に向けての意気込みを伝え、「このたびは本当にありがとうございました」と改めて感謝の気持ちを伝えた。


■小日向文世「この賞に尻を叩かれたなと思いました」
同じく、「橋田賞」を受賞した小日向文世は、長年にわたり培ってきた確かな演技力により、人物の内面に潜む機微を繊細に表現し、「わが家は楽し」(TBS系)をはじめ、「緊急取調室」(テレビ朝日系)、「人事の人見」(フジテレビ系)、連続テレビ小説「ばけばけ」(NHK総合)、「ホットスポット」(日本テレビ系)など数多くの作品に深みと説得力を与えたという理由で受賞。
「昨年放送されたスペシャルドラマ『わが家は楽し』。その撮影現場に連日、朝から夜まで現場にいらっしゃる石井ふく子プロデューサー。そして、顔合わせ、本読み、初日に、ほぼ全キャストにダメ出しをする脚本家の山田洋次さん。そして、僕の母親役を演じられた岩崎加根子さん。皆さん、90代でした。自分は70代に入り、『少しのんびりしたいな』『のんびりと俳優業に関わって行けたらいいな』と思っていたんですが、『ちょっとそれは早いぞ! 御三方を見習え』と、この賞に尻を叩かれたなと思いましたので、あとひと頑張り、ふた頑張りしようと今思っております(笑)」と、先輩たちから刺激を受けたと語った。

■戸田恵子「私、一番年下で、皆さんに甘えて胸を借りて」
出演ドラマ「わが家は楽し」も「橋田賞」を受賞し、そちらには夫婦役を演じた戸田恵子と共に登壇した。
小日向は「子供の頃からテレビでホームドラマというものをずっと見続けてましたので、俳優になってホームドラマという作品に出られたこと、それも石井ふく子プロデューサのもとで作品に参加できたことを本当に嬉しく思いました。そして、戸田恵子さんとはもうずいぶん長い知り合いだと思うんですけど、まさか夫婦役を演じられるとは夢にも思ってなかったので、記念すべき作品だったと思います。2週間くらいですかね?楽しい時間を過ごさせていただきました」と撮影を振り返り、作品への思いを語った。
戸田は「私、来年70歳になるんですけど、小日向さんは年上で、演出の清弘さんも年上で、山田洋次さんが93歳、お母さん役の岩崎加根子さんが93歳。私、一番年下で、皆さんに甘えて胸を借りて。非常にたくさん私も勉強させていただきました」と、先輩ばかりの現場を振り返って、思いを伝えた。
◆取材・文=田中隆信


■「第34回橋田賞」受賞者・受賞作品一覧
▼橋田賞
・連続テレビ小説「あんぱん」(NHK総合ほか)
・「わが家は楽し」(TBS系)
・「ザ・ノンフィクション」(フジテレビ系)
・「八月の声を運ぶ男」(NHK総合)
・小日向文世
・佐藤浩市
・小芝風花
・今田美桜
・竹内涼真
▼野村昭子賞
・岩崎加根子


