「口腔乾燥症」を発症する原因をご存じですか?【医師監修】

「口腔乾燥症」を発症する原因をご存じですか?【医師監修】

口腔乾燥症の前兆や初期症状について

口腔乾燥症は、唾液の分泌量が減少し、口腔内が乾燥する症状です。主に中高年の方や、更年期を迎えた女性に多く見られる傾向がありますが、生活習慣やストレスなどの影響で若い世代にも発症することがあります。前兆や初期症状としては、最初に口の中が少し乾いた感じがすることから始まることが多いです。

例えば、話をしているときや食事の際に唾液が足りないと感じ、特に乾燥を感じる瞬間があるかもしれません。さらに進行すると、口の中の粘膜がヒリヒリするような痛みが出ることもあります。これが続くと、食べ物が飲み込みにくくなったり、固いものをかむときに不快感を覚えることがあるのです。

口腔乾燥症は、乾燥感以外にも、夜間に喉が渇いて目が覚めることが増えたり、常に水分をとりたくなるといった症状が現れることも少なくありません。また、唾液は口内の細菌の増殖を抑える働きも持っているため、唾液が減少すると口臭が発生しやすくなり、虫歯や歯周病のリスクも高まります。特に口臭は本人が気づきにくいものの、家族や友人から指摘されることがあり、日常生活にも影響を及ぼす可能性があります。

口の中が乾燥すると、口腔内に傷がつきやすくなり、粘膜の炎症や口内炎が発生しやすくなることも考えられます。唇や舌のひび割れ、口角のただれが見られるようになると、さらに症状が進んでいる可能性があります。このように口腔乾燥症の初期症状はさまざまな形で現れ、放置すると徐々に症状が悪化し、日常生活に不便を感じることが増えてきます。

これらの症状が現れた際は歯科または内科を受診しましょう。

口腔乾燥症の検査・診断

口腔乾燥症の診断には、唾液分泌量の測定が必要です。一般的な方法として唾液腺機能検査があります。これは主にガムテストや唾液分泌量測定を通して唾液の分泌量を確認する検査です。

ガムテストでは、ガムを一定時間噛んで得られる唾液量を計測し、分泌量が基準値に達しているかを確認します。サクソンテストでは、ガーゼを数分間口に含んで、唾液で濡れたガーゼの重量から分泌量を推定します。唾液分泌量が正常範囲を下回ると、口腔乾燥症と診断されることがあります。

より詳細な検査としてシェーグレン症候群をはじめとする基礎疾患の有無を確認するためにシェーマーテストや血液検査を行うこともあります。シェーマーテストは、試験紙を目じりにあてて涙の分泌量を測定し、涙液分泌機能を調べるテストです。試験紙が湿った長さが5㎜以下の場合、シェーグレン症候群、ドライアイ、などの疾患が疑われます。血液検査では抗体の有無や炎症反応の確認を通して、自己免疫疾患の関連を調べることができます。

配信元: Medical DOC

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