「口腔乾燥症」を発症する原因をご存じですか?【医師監修】

「口腔乾燥症」を発症する原因をご存じですか?【医師監修】

口腔乾燥症の治療

口腔乾燥症の治療には、症状を緩和し、口腔内の健康を保つためのいくつかのアプローチがあります。

まず唾液の分泌を促進することが重要です。
唾液腺マッサージとして、頬骨、下あごの内側付近を軽くマッサージすることで唾液の分泌を促進可能です。痛みや不快感が出現しないように、心地よい強さで行います。
また、唾液腺を刺激するために、糖分を含まないガムを噛むことが推奨されます。ガムを噛むことで、噛む動作が唾液の分泌を促し、口腔内の潤いを保つ手助けになります。酸味のある食品や飲み物も唾液の分泌を促進するため、レモン水や酸っぱいキャンディーを利用するのも一つの方法です。

次に、適切な水分補給が必要です。口腔内の乾燥を防ぐために、こまめに水分を摂取することが推奨されます。特に、就寝前に水分を摂ることで、夜間の乾燥を和らげることができます。さらに、室内の湿度を上げるために、加湿器を使用することも効果的です。乾燥した環境では唾液の蒸発が進むため、湿度を保つことが口腔内の乾燥を軽減します。

口腔乾燥症が特定の病気や薬の副作用によって引き起こされている場合、医師と相談して服薬状況の見直しが必要になる場合があります。

口腔乾燥症になりやすい人・予防の方法

口腔乾燥症になりやすい人は、特に年齢や生活習慣、服用薬による影響を受けやすい人たちです。

まず、高齢者は唾液の分泌量が年齢とともに減少しやすく、口腔乾燥症のリスクが高まります。さらに、ストレスや緊張などの心理的な要因も唾液分泌を抑えるため、仕事や生活で常にストレスを抱えている人も、口腔乾燥症になりやすいといえます。

加えて、特定の薬を服用している場合もリスクが上がります。抗うつ薬、降圧薬、抗ヒスタミン薬など、多くの薬が副作用として唾液分泌の低下を引き起こす可能性があるため、これらを服用する人は注意が必要です。

口腔乾燥症の予防としては、日々の生活習慣を見直すことが基本です。特に水分補給を意識し、体内の水分を保つことが唾液の維持に役立ちます。カフェインやアルコールは利尿作用があるため、過剰に摂取すると体内の水分が失われやすくなります。これらの摂取を控え、代わりに水やノンカフェインの飲料を取り入れると良いでしょう。さらに、食事中によく噛むことも唾液分泌を促進するため効果的です。

また、口呼吸は口腔乾燥を引き起こす大きな要因となるため、日常生活で鼻呼吸を心がけることが重要です。特に就寝時に口呼吸になりがちな人は、鼻呼吸をサポートするテープや加湿器の使用が役立つ場合があります。


関連する病気

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参考文献

ドライマウス(口腔乾燥症)

口腔乾燥症の病態と治療

口腔乾燥症の基本的な診査・診断と治療

配信元: Medical DOC

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