
かつては純粋に憧れていた先輩漫画家を、今や自身のゴーストライターに仕立てた後輩。けれど歯車は狂い、再逆転の時を迎え――。
WEB発のインディーズ漫画は、今やアマチュアのみならずプロの漫画家も数多く発表するようになった。「日本、ここ行け Walker」グランプリを受賞したぴのこ堂(@pinokodoaonoshu)さんがAmazon Kindleの無料電子書籍などで発表している「Black Lily 黒百合短編集」もそうした作品の一つだ。
女性同士の想いをテーマにした“百合”を題材とした「Black Lily 黒百合短編集」。なかでも、師匠とアシスタントの間柄が逆転し、人気漫画家にのし上がった後輩漫画家と、彼女の先輩アシスタント兼ゴーストライターとして働く先輩漫画家との関係を描く「交換」シリーズは、プロとして長いキャリアを持つぴのこ堂さんゆえの説得力あふれる描写と、互いの強い感情が交錯する二人の姿に引き込まれる作品。「漫画家漫画をいつか描いてみたかった」というぴのこ堂さんに、同作の制作秘話を訊いた。
■漫画家を題材にした漫画を描く



女性同士の想いをテーマにした「百合」を題材に、漫画家漫画としても描かれる「交換」シリーズ制作のきっかけについて作者のぴのこ堂さんは「まず、『百合』と『ミステリー』はとても相性がいいのではないかと思い、実験的な作品として、5ページで完結してラストにはびっくりするようなどんでん返しが用意されているシリーズを3本作ろうと思って描いた作品です。3作目の本作は今まで一番描きたいけど描けなかった『漫画家とアシスタント』という関係にしようと思いました」と教えてくれた。
どの作品も5ページで完結の予定であったようだが、1作品目の「瞳」2作品目の「秘密」は30ページほどの続編がそれぞれあることにくらべ、本作「交換」は長期に渡り描かれてることについて「『交換』は一番思い入れが強かったので、30ページと決めずに自分が納得いくまで描ききってみようと思いました。その結果、3年ほど描いてもまだ終わらないのです」という。
思ってもいなかったエピソードが生まれたりして、なかなか終わることができずにいるようで「本当ならもうとっくに完結しているはずなんです」とぴのこ堂さんは言っているが、ラストをどうするのかは大体考えているようだ。
ぴのこ堂さんの漫画家としての思いが詰まったこだわりの本作「交換」をぜひ読んでみてほしい。
取材協力:ぴのこ堂(@pinokodoaonoshu)
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