スキルス胃がんの前兆や初期症状について
スキルス胃がんの症状は胃がんとほとんど変わりはなく、初期の症状は乏しいです。さらに、スキルス胃がんは胃の粘膜の下で広がるためより症状が出にくいと考えられます。
胃がんの症状を提示しますが、これらの症状がひとつも表れないまま胃がんやスキルス胃がんが進行している場合もあります。
食欲不振、体重減少
がんによる症状や、胃の拡張障害が起こることで食欲の低下が見られることがあります。 腹痛、みぞおちの痛み
胃がんの症状として胃炎のような症状が見られる場合があります。 吐血
がんからの出血が原因で吐血を起こすことがあります。 黒色便
がんからの出血が腸を通り抜けた場合、便が黒くなることがあります。黒色便の原因としては胃がんだけでなく胃潰瘍や大腸がんでも起こります。
スキルス胃がんには明確な前兆や初期症状を認めないことが多く、発見も困難なので、胃カメラなどを用いた定期的な検診が大事です。
スキルス胃がんの検査・診断
先に示したとおり、スキルス胃癌は胃がんの一種であるため、一般的な胃がんと同様の検査を行います。がんと診断するだけではなく、その進行度(病期)や、手術による切除の可能性も評価します。
血液検査
血液検査では、いくつかのがんによって上昇するがんマーカーであるCEA、CA19−9などの腫瘍マーカーの値を測定します。また、貧血を伴っていることも多いため、ヘモグロビン(Hb)などの値も確認します。
上部消化管内視鏡検査(胃カメラ)
内視鏡を口から挿入して、胃の中を直接観察する検査です。病変が見つかった場合はそのまま病変の一部を採取(生検)することで、がんの確定診断を行うことができます。
スキルス胃がんでは、胃の内部に腫瘍が明らかではないことも多いため、生検でも腫瘍を採取することが難しい場合があります。しかし、胃の広がり方を見ることで、胃の壁の硬さがわかります。また、胃の内部の粘膜の比だが厚くなるという特徴的な所見を見ることがあります。
上部消化管造影検査(バリウム検査)
バリウム(造影剤)を飲んでから胃を膨らませて、X線検査(レントゲン検査)を行います。胃全体の形や膨らみ方、表面の凹凸を確認することに優れています。特にスキルス胃がんの特徴である胃の硬さや膨らみにくさを見つけやすい検査です。
腹部CT検査
胃カメラや造影剤で胃がんを疑った場合には、続いてCT検査を行います。造影剤を用いてCT検査を行うことでより詳細ながんの場所、広がりを評価することができます。また、CT検査は胸部や腹部全体を撮影し観察することができますので、リンパ節や他の臓器への転移の有無の確認も可能となります。
PET-CT検査
リンパ節や他の臓器への転移の有無が腹部CT検査ではっきりとしない場合に行われることがあります。放射性フッ素を付加したブドウ糖液を注射します。ブドウ糖ががん細胞に多く取り込まれることを利用して、がんの広がりを確認することができます。
審査腹腔鏡(手術)
特に進行したがんで腹膜播種(転移)が疑われた場合に行うことがあります。腹膜播種はCTなどの画像検査で捉えることができないため、正確な病期(ステージ)を判断する目的で行います。検査といいますが、腹腔鏡手術と同様に全身麻酔をしたのちに、お腹に小さな穴を開け、カメラを挿入してお腹の中を直接観察します。転移が疑われる部位の組織や、腹水を採取して転移の有無を確認します。

