
ウェブトゥーンを原作に、銃の代わりにエプロンで戦う軍事料理人の成長を描いた韓国ドラマ「伝説のキッチン・ソルジャー」が、5月11日に配信開始。主人公カン・ソンジェを演じるのは、主演映画「王と生きる男」(2026年)で観客動員数1600万人を突破し、韓国映画史上歴代2位という偉業を達成したパク・ジフン。7歳で子役デビューし、アイドルとしても活躍したジフンのキャリアに注目する。
■7歳で子役デビュー!BIGBANGと共演も
ジフンは元来、やりたいことにとことん突き進むタイプだ。1999年生まれのジフンが初めて表舞台に立ったのは、7歳のとき。ドラマ「朱蒙」(2006年)で子役俳優としてデビューした。幼かった当時、ドラマで俳優が感情を爆発させる演技を見て強い衝撃を受け、「テレビでこんなに怒っていいんだ!自分もやってみたい」と思ったのが、子役挑戦のきっかけだったという。
以降、小学生時代は子役俳優としてドラマやミュージカルで活躍。中学校の教科書モデルを務めたこともある。また、8歳のときに出演したバラエティー「アイドルワールド」では、BIGBANGのG-DRAGONらと“涙流し対決”をし、スタートするやいなや大粒の涙を流し始める映像も残っている。
■練習室に1日中缶詰に…Wanna Oneでアイドルデビュー
中学生になるとアイドルに憧れ、中学・高校時代はアイドル練習生として練習に明け暮れた。2026年2月25日に韓国で放送されたトークバラエティー「ユ・クイズON THE BLOCK」では、「地下練習室に1日中ずっと缶詰になって、アイドルの先輩たちの映像を見ながら歌やダンスをコピーしていました。膝に水が溜まっても、病院に行って水を抜いてまた練習して。執念、根性だったと思います」と、過酷なダンスの練習を乗り切ったと振り返っている。
すさまじい努力の末、2017年放送のオーディション番組「PRODUCE 101」シーズン2に挑み、カン・ダニエルに次ぐ最終2位で番組を終え、期間限定のボーイズグループ・Wanna Oneのメンバーとしてアイドルデビューを果たした。
「PRODUCE 101」メンバー全員で音楽番組に初出演した際には、カメラにアップで捉えられた瞬間にウインクを披露。これをきっかけに、“ウインク王子”と呼ばれるようになった。「ステージに上がったら、せっかくだから(カメラに映るために)何かしなきゃ!という気持ちになって、何かあるかなと考えて、ウインクだなと。(してみたら)カメラがこっちを向いた感覚があって、『やった!僕、撮られてるみたいだ』と思いました」と、「ユ・クイズ」で“ウインク王子”誕生の瞬間を語っている。
さらにアイドル時代は「僕の心の中に保存!」という愛嬌たっぷりのフレーズも誕生。このフレーズは2017年の流行語になるほど注目を集め、Wanna Oneの“愛嬌担当”としてファンをときめかせた。
■「コッパダン」「弱いヒーロー」でも話題に
2019年1月のWanna One解散後は、ソロ歌手および俳優として新たなスタートを切った。
ドラマ「コッパダン~恋する仲人~」(2019年)にキム・ミンジェ、コン・スンヨン、ビョン・ウソクらと共に出演。ジフンは仲人集団“コッパダン”のファッションコンサルタント、コ・ヨンスを演じた。愛らしいキャラクターで“コッパダンで一番かわいい男”と人気を集めたジフンは、放送の全期間にわたって8週間連続で話題の俳優1位を独走するなど注目を集めた。
そんな“俳優パク・ジフン”の転機となったのが、ウェブトゥーンを原作にしたアクションドラマ「弱いヒーロー Class1」(2023年)。天性の頭脳を持つ優等生ヨン・シウン(ジフン)が、腕力ではなく頭脳を武器にイジメっ子たちと戦い、最強のヒーローになっていく姿を描く同作で、ジフンはアイドルのキラキラオーラを完璧に封印。勉強以外には無関心な秀才シウンを演じた。
勉強を邪魔されたシウンの静かな怒りを、鬱々とした表情で演じたジフン。今まで見たことのない負のオーラがファンの度肝を抜き、“パク・ジフンの再発見”と話題に。「青龍シリーズアワード」「コリアドラマアワード」の新人賞を受賞。2025年には続編「弱いヒーロー Class2」が配信された。
■「王と生きる男」では“2カ月で15kg減量”の壮絶役作り
そして2026年公開の映画「王と生きる男」に主演した。1457年に叔父にあたる首陽(スヤン)大君の反乱によって廃位され、流刑に処された若き王・端宗(タンジョン)のその後を描いた同作で、ジフンは持ち前の根性を発揮。2カ月で15kgものすさまじい大減量を敢行した。
ジフンは「端宗が島流しになる過程を描かなければならなくて。断食した人のようにガリガリに見せたかったので、運動で落とすのではなく、2カ月の間は1日リンゴ1個だけ食べる生活で、骨と皮ばかりにやつれた印象を作りました」と述懐し、「苦痛を伴ったその過程を顔つきや体形に落とし込みたかったんです。だから、減量が最優先目標でした。食欲をできるだけ減退させたくて、果物の中で一番苦手なリンゴを選びました」と、「ユ・クイズ」で役作りの秘話を明かしている。
その結果、「王と生きる男」は観客動員数1600万人を突破する大ヒットに。ジフンは観客動員数1000万人級の超ヒット作に主演した俳優を指す“千万俳優”の1人になった。この作品でジフンの知名度は大きくアップ。韓国では「“僕の心の中に保存!”のあのアイドルの子か!」と、ジフンの存在を再認識する声も多く上がったという。
■「伝説のキッチン・ソルジャー」ではすご腕の料理人に
最新作「伝説のキッチン・ソルジャー」は、そんなジフンが「愛の不時着」「涙の女王」などの制作で知られるスタジオドラゴンとタッグを組んだミリタリー・クッキングコメディー。
過酷な現実から逃れるため入隊したカン・ソンジェ(ジフン)の前に、ある日、謎の“クエスト”画面が出現。基地で起こる事故やトラブルを、自身の料理の腕と機転で次々と解決していく。数々の“クエスト”を通じて成長した彼は、ついに巨大な軍組織の抱える問題の核心へと足を踏み入れていく。
ソンジェの「僕の人生は戦いだった」の一言から始まる同作は、まさに根性の人・ジフンが演じるべき作品だ。最優秀訓練兵に選ばれるほど誰よりも熱心に訓練所生活を送ったソンジェが、カンリム小哨所へ配属され「実力を見せてやるか」と火のついた鍋を振りながら手際よく調理していく。神がかったおいしさに魅了された部隊員たちの驚きと恍惚としたような表情からも、彼の料理のおいしさがひしひしと伝わってくる。
カンリム小哨所で初めて食べたスープのあまりのしょっぱさに衝撃を受けたソンジェが、スープに溺れる妄想を繰り広げるなど、CGを駆使した映像も楽しい同作。千万俳優となったジフンが孤独な王から一転、料理にまい進する若き炊事兵を体現する。
「伝説のキッチン・ソルジャー」(全12話)は、ディズニープラス スターで毎週月・火曜に1話ずつ見放題独占配信中。
◆文=ザテレビジョンドラマ部

