「糖尿病」の3大合併症、あなたは全て答えられますか? それぞれの症状・重篤なリスクについても「むさしの糖尿病・甲状腺内科」の田口先生に解説していただきました。

監修医師:
田口 学(むさしの糖尿病・甲状腺内科)
岩手医科大学医学部卒業。その後、国家公務員共済組合連合会虎の門病院、東京大学医学部附属病院、国立病院機構災害医療センターで内科、糖尿病・甲状腺を中心とする内分泌疾患の治療に携わる。2019年、東京都武蔵野市に「むさしの糖尿病・甲状腺内科」を開院。これまでの経験を活かし、地域で専門的な医療を提供するクリニックづくりを心がける。医学博士。日本内分泌学会評議員、日本糖尿病学会専門医・指導医、日本内分泌学会内分泌代謝科専門医・指導医、日本甲状腺学会専門医。
編集部
糖尿病の合併症には、どのようなものがありますか?
田口先生
糖尿病が進行すると「糖尿病性神経障害」、「糖尿病網膜症」、「糖尿病腎症」のいわゆる3大合併症のリスクが高まります。それ以外にも、高血圧や脂質異常症を併発したり、感染症にかかりやすくなったり、動脈硬化による脳血管の疾患を引き起こしたりします。
編集部
糖尿病の3大合併症について、もう少し詳しく教えてください。
田口先生
まず、糖尿病性神経障害ですが、手足の痺れや痛み、排尿障害、立ちくらみ、胃腸の機能低下など、全身にあらゆる症状が出ます。とくに足の異常が顕著で、感覚が鈍くなるほか、進行して重症化すると壊疽(えそ)の原因になり、最悪の場合は足を切断しなければならなくなってしまうこともあります。
編集部
糖尿病網膜症についてはいかがでしょうか?
田口先生
糖尿病網膜症を合併すると、網膜にある毛細血管の血流が悪くなったり途絶えたりして、眼底出血や視力の低下などを引き起こします。また、進行すると失明に至ってしまう恐れがあります。
編集部
最後、糖尿病腎症の説明をお願いします。
田口先生
糖尿病腎症は、体内の老廃物を濾過(ろか)して排出する役割がある腎臓の「糸球体」という組織が壊されてしまう状態です。糖尿病腎症を併発すると、体内に老廃物が滞り、尿中にタンパク質が漏れ出すなどの異常が生じます。糖尿病腎症が進行すると、腎臓が正常に機能しなくなる「腎不全」になり、人工透析を要する場合があります。
※この記事はMedical DOCにて【糖尿病が進行した先に待ち受ける恐ろしい合併症とは】と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。
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