
ディーン・フジオカが主演を務めるドラマ「LOVED ONE」(毎週水曜夜10:00-10:54、フジテレビ系/FODにて配信)の第5話が5月13日に放送された。新たに舞い込んだ“生きている人の鑑定”依頼。臨床法医学が専門の高森(綱啓永)が主となって担当することになったが、心の傷がよみがえって苦しむ姿に胸が締め付けられた。(以下、ネタバレを含みます)
■隠された真実と“生きた証”を解き明かす法医学ヒューマンミステリー
完全オリジナルストーリーとなる本作は、法医学という硬質な題材をとおして、人を思う気持ちや生きていた時間を丁寧にすくいあげ、日本社会に多く存在する“死因不明”の闇に静かに光を当てる新感覚の法医学ヒューマンミステリー。厚生労働省主導で新設された法医学専門チーム「MEJ(メディカルイグザミナージャパン)」が、遺された痕跡を手掛かりに、隠された真実とその人が生きた証を解き明かしていく。
“LOVED ONE”とは、法医学者が遺体にささげる込められた言葉で、“亡くなった人”ではなく、かつて“誰かに愛されていた存在”として呼ぶための名。
ディーンが演じるのは、MEJに招へいされた、アメリカでメディカルイグザミナーとして数多くの検視を担当してきた変わり者の天才法医学者・水沢真澄。そして真澄のバディとなる、MEJのセンター長で、崖っぷちのエリート官僚・桐生麻帆を瀧内公美が務める。
ほか、MEJメンバーとして、死後画像診断専門の法医学者・本田雅人役で八木勇征、臨床法医学専門の法医学者・高森蓮介役で綱啓永、法歯学・骨学専門の法医学者・松原涼音役で安斉星来、検査技師・吉本由季子役で川床明日香が出演。
■鑑定依頼のあった子供のアザを見た高森は手を震わせる
MEJに遺体ではなく、生きている人の鑑定依頼がくる。児童虐待の疑いがある子供が事故に遭ったという。休暇中の真澄は、生きた人間を対象とする臨床法医学を専門とする高森に託した。
住宅街にある事故現場に向かった麻帆と高森。階段下で頭から血を流して倒れていた10歳の少年・戸川奏太(長尾翼)は、意識を失う直前に「怪物、怪物が来ちゃう…黒い怪物…」と言い残していた。その現場からは包丁も見つかった。
入院している奏太の診察をした高森は、体中にある虐待を疑わせるアザを見ていくうちに、手が震え、息づかいも荒くなるが、なんとか気持ちを落ち着かせた。
その後、奏太の自宅周辺での聞き込みで、夜中に悲鳴を上げたり、公園で泣き叫んだりという場面を見聞きした住人が、「お母さんが怖そうな人と付き合いだして、そこから」と証言。5年前に離婚した奏太の母・沙也(小野ゆり子)は、普段は奏太と2人暮らしだが、たびたび恋人の紀田諒司(前田公輝)が家を訪れていた。
さらに、沙也の元夫で、奏太の実父・上条亘(長田成哉)は、離婚原因が自分の浮気だったため、合わせる顔がないと長年息子と会っていなかったが、沙也が「悪い男と付き合い始めた」とうわさで聞き、虐待を心配していたと言う。
警察の調べでは、諒司自身も虐待された過去が分かり、“虐待の連鎖”という深い闇が浮かび上がった。
■高森が恐れる“虐待の連鎖”という闇
そんな中、諒司が自首してきた。刑事の穂乃果(山口紗弥加)の取り調べを見ていた高森は、諒司が「しつけ」だと話すのを聞き、倒れてしまう。
実は高森自身も義父から虐待を受けた経験があり、そのときのことがフラッシュバックしたのだった。高森の体には、奏太と同じところに今も虐待の傷が残っていた。麻帆にそのことを打ち明けるとき、思い出すのではなく、「いつも頭にあるので」と語るのが、切なかった。もうすぐ“パパ”になる高森は、自身も虐待の連鎖をしてしまうのではないかと恐れてもいた。
麻帆は「高森先生だからこそ、やれることがあるんじゃないでしょうか。奏太くんの痛みを誰よりも分かってあげられるのは、高森先生だと思います」と優しく背中を押した。第4話で、穂乃果が麻帆に「今のあんたにもできることあるんじゃない?」と言う場面があったが、こういう優しさの“連鎖”が続いていくのは大歓迎だ。
真澄から「法医学への向き合い方はそれぞれに違って自由です」とアドバイスを受けた高森は、自らの過去を振り返って、家に手掛かりがあるのではと考えた。虐待があれば、壁をはじめさまざまなところに傷がつく。しかし、奏太の家にはそのような傷は見られなかった。
■高森の力強い宣言が胸を打つ
高森が中心となって集めていった事件を解く“ピース”。奏太が発した「怪物」という言葉は、絵本の「くろいかいぶつ」からきたもので、その“怪物”として奏太を虐待していたのは実父の亘だった。
3カ月前に沙也が諒司と付き合っていることを知り、嫉妬を募らせた亘は沙也たちの家へ。久しぶりに亘に会った奏太は、過去の虐待がフラッシュバックし、それが続いて夜中などに叫ぶようになった。諒司のおかげでそれも少なくなっていたが、沙也のいないときに再び亘が現れ、奏太が包丁で亘を襲おうとして、突き飛ばされて階段から転落。亘は「殺人未遂」になると諒司を脅し、諒司は奏太を助けようと自首したのだった。
高森は、亘に向かって「僕はあなたのような親には絶対になりません」ときっぱりと言った。釈放された諒司は「俺が奏太と母ちゃん、幸せにするから」と誓った。
体の傷も心の傷も消えることはない。けれども虐待の連鎖は断ち切れる。悲しい事件でありながらも、力強いメッセージが心に残った。視聴者からは「虐待の連鎖は大切な人を想う優しさで必ず断ち切れるよね」「最終的に虐待の連鎖ではなく愛が勝ったな」「高森先生かっこよかった」「いつものことながらつらいシーン多い…でも最後はとてもよかったです」などの感想が寄せられた。
◆文=ザテレビジョンドラマ部

