「C型肝炎」に感染しやすい人の特徴をご存じですか? 予防法を併せて医師が解説

「C型肝炎」に感染しやすい人の特徴をご存じですか? 予防法を併せて医師が解説

中路 幸之助

監修医師:
中路 幸之助(医療法人愛晋会中江病院内視鏡治療センター)

1991年兵庫医科大学卒業。医療法人愛晋会中江病院内視鏡治療センター所属。米国内科学会上席会員 日本内科学会総合内科専門医。日本消化器内視鏡学会学術評議員・指導医・専門医。日本消化器病学会本部評議員・指導医・専門医。

C型肝炎の概要

C型肝炎とは、C型肝炎ウイルス(HCV:Hepatitis C Virus)によって引き起こされる肝臓の病気です。HCVに感染すると、約70%の人が持続感染者(ウイルスを持ち続ける状態)となり、慢性肝炎(長期間続く肝臓の炎症)、肝硬変(肝臓が硬くなる病気)、肝がん(肝臓に発生するがん)へと進行する可能性があります。現在、日本には約100万人のHCV感染者がいると考えられており、その中には感染に気づいていない人や、気づいていても治療を受けていない人が多いのが現状です。慢性肝炎、肝硬変、肝がん患者の約60%がHCV感染者であり、抗ウイルス療法(ウイルスを抑える治療)が進歩した現在でも、年間2万5千人が肝がんで亡くなっています。多くの人にC型肝炎について正しい情報を知ってもらうことが重要です。

C型肝炎ウイルスはRNAウイルスの一種であり、その遺伝子は非常に変異しやすい特徴を持っています。このため、HCVは多数の遺伝子型(1型から6型)に分類され、それぞれの遺伝子型によって治療法や治療効果が異なることがあります。特に、日本では1型が多く、治療に対する反応が他の型に比べてやや劣るとされています。
C型肝炎は、急性肝炎として発症することもありますが、多くの場合、症状が軽く、気づかないまま慢性肝炎へ移行します。慢性肝炎となった場合、長期間にわたり肝臓に炎症が続き、最終的には肝硬変や肝がんに進展することがあります。肝硬変や肝がんに至る前に、早期に診断し適切な治療を受けることが重要です。

C型肝炎の原因

C型肝炎ウイルスは、感染者の血液を通じて感染します。具体的には、以下のような経路があります。

注射器具の使い回し
注射器や針を複数の人が使い回すことで感染します。 医療器材の不適切な消毒
病院などで使用する医療器材が十分に消毒されていないと感染します。 スクリーニング検査をしていない血液や血液製剤の輸血
感染した血液を使用すると感染します。

一方で、握手や抱擁、食器の共用、入浴などの日常生活では感染しません。

配信元: Medical DOC

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