家庭用の体組成計が広く普及し、日常的に内臓脂肪レベルを把握できる環境が整ってきています。測定結果を正しく活用することで、生活習慣改善の効果を可視化し、継続的な取り組みの動機づけにつなげることができます。ここでは、体組成計の仕組みや測定結果の記録・活用方法について説明します。

監修医師:
中路 幸之助(医療法人愛晋会中江病院内視鏡治療センター)
1991年兵庫医科大学卒業。医療法人愛晋会中江病院内視鏡治療センター所属。米国内科学会上席会員 日本内科学会総合内科専門医。日本消化器内視鏡学会学術評議員・指導医・専門医。日本消化器病学会本部評議員・指導医・専門医。
内臓脂肪レベルの測定方法と活用
家庭用の体組成計でも内臓脂肪レベルを測定できる機器が普及しています。これらの機器を活用することで、日常的に自分の状態を把握し、生活習慣改善の動機づけにつなげることができます。
体組成計による内臓脂肪レベルの測定
市販されている体組成計の多くは、生体インピーダンス法という技術を用いて内臓脂肪レベルを推定します。この方法は、微弱な電流を身体に流し、その抵抗値から体脂肪率や内臓脂肪レベルを算出する仕組みです。体組成計で表示される内臓脂肪レベルは、一般的に1から15程度の段階で示され、10以上が高いレベルとされることが多いです。ただし、家庭用体組成計の内臓脂肪レベルは推定値であり、判定基準や表示方法は機種によって異なるため、前回との変化を見る目的で同じ条件で測定することが重要です。
ただし、体組成計の測定値は、測定時の水分摂取状況や食事のタイミング、運動の有無などによって変動することがあります。そのため、同じ時間帯や条件で定期的に測定することで、より正確な変化を把握できます。体組成計の数値はあくまで推定値であり、CT検査による実測値とは異なる場合があることを理解したうえで、日々の健康管理の参考として活用することが望ましいです。
測定結果の記録と目標設定
内臓脂肪レベルや体重、体脂肪率などを定期的に記録することで、生活習慣改善の効果を視覚的に確認できます。記録は手書きのノートやスマートフォンのアプリなど、自分に合った方法で継続しやすい形を選ぶとよいでしょう。数値の変化をグラフ化することで、モチベーションの維持にもつながります。
目標設定においては、現実的で達成可能な範囲を設定することが重要です。たとえば、3ヶ月で内臓脂肪レベルを2段階下げる、体重を3キログラム減らすといった具体的で測定可能な目標を立てると、進捗を確認しやすくなります。急激な変化を求めるのではなく、少しずつ改善していく姿勢が、長期的な成功につながります。
まとめ
内臓脂肪の蓄積は、生活習慣病のリスクを高める要因として知られていますが、適切な知識と実践により改善が期待できる問題です。食事や運動、睡眠、ストレス管理といった日常生活全般の見直しを通じて、内臓脂肪を効果的に減らすことができます。また、定期的に数値を測定し、自分の状態を客観的に把握することで、モチベーションを維持しながら取り組みを継続できます。サプリメントは補助的な手段として活用できますが、基本は生活習慣の改善にあることを忘れず、無理のない範囲で健康的な身体づくりを目指しましょう。気になる症状や数値の変化がある場合には、早めに医療機関を受診し、専門家の指導を受けることが大切です。
参考文献
厚生労働省 e-ヘルスネット|内臓脂肪型肥満
厚生労働省 e-ヘルスネット|メタボリックシンドローム(メタボ)とは?日本肥満学会|肥満症診療ガイドライン2022
日本動脈硬化学会|動脈硬化性疾患予防ガイドライン2022年版
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