ぶつけてないのにあざができる時に考えられる病気とは?メディカルドック監修医が解説します。
※この記事はメディカルドックにて『「ぶつけてないのにあざができる」原因はご存知ですか?医師が徹底解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

監修医師:
今村 英利(ネムクリニック下井草院)
2009年新疆医科大学を卒業し、中国医師免許を取得。2019年に日本医師免許を取得。神戸大学大学院(腫瘍・血液内科学講座)にて血液悪性腫瘍の研究に従事。2019年に日本医師免許と医学博士号を取得。赤穂市民病院、亀田総合病院、新宿アイランド内科クリニック院長、在宅医療(訪問診療)などを歴任後、2024年9月ネムクリニック下井草院に院長として着任。現在は、内科・皮膚科全般の疾患を幅広く診療している。
「ぶつけてないのにあざができる」症状が特徴的な病気・疾患
ここではMedical DOC監修医が、「ぶつけてないのにあざができる」に関する症状が特徴の病気を紹介します。
どのような症状なのか、他に身体部位に症状が現れる場合があるのか、など病気について気になる事項を解説します。
白血病
白血病は血液のがんで、がん細胞が増えるために本来骨髄で作られる赤血球、白血球、血小板が作られずに低下し、さまざまな症状がでます。息切れ、動悸、鼻血や歯ぐきからの易出血性、発熱などが起こります。緊急性が高い病気です。上記の症状から白血病が疑われる場合には、すぐに内科(血液内科)の受診が必要です。
血友病
血友病は血液を固まらせる凝固因子の欠乏のため止血できずにさまざまな場所に出血を起こす病気です。大きなあざや皮下出血ができることが多く、筋肉内や関節内にも出血することがあります。貧血に陥りやすく、すぐに治療が必要です。すぐに内科(できれば血液内科)を受診しましょう。
クッシング病
クッシング病は副腎皮質ステロイドホルモンが過剰に分泌される病気です。ステロイドの影響で皮膚が薄くなり出血しやすいため、あざができやすくなります。皮膚以外にも高血圧、糖尿病、免疫不全などを合併するため、すぐに治療が必要です。疑わしい症状がある場合には内科を受診しましょう。
紫斑病
紫斑病は微小な血管炎によりおこる病気です。代表的なものとして、Henoch-Schonlein紫斑病という血管炎があります。皮膚の細かい血管が障害されて、紫斑、紅斑などを起こします。皮膚症状以外にも関節痛や腹痛、腎症状、神経症状を合併することが多いとされています。緊急性が高い病気です。疑った場合には、すぐに内科(子供では小児科)を受診しましょう。
血小板減少性紫斑病
出血した時に止血作用をする血小板という血液成分が低下することで起こります。子供の場合は麻疹や風疹などのウイルス感染症の後に、大人の場合は誘因なく起こることもあります。血小板値が減少して手足(特にすねの部分)に点状出血や紫斑がでる病気です。診断がつけば、治療はステロイドで治療可能です。
「ぶつけてないのにあざができる」についてよくある質問
ここまで症状の特徴や対処法などを紹介しました。ここでは「ぶつけてないのにあざができる」についてよくある質問に、メディカルドック監修医がお答えします。
打ち身の覚えがないのにあざがあるのは何科を受診すべきですか?
今村 英利 医師
まずは内科・血液内科で血液の異常(血小板値、凝固因子、出血時間など)による易出血性(出血しやすく血が止まりづらい状態)がないかどうかを確認しましょう。
ぶつけてないのにあざができるのはストレスと関係はありますか?
今村 英利 医師
ストレスであざが増えることはありません。
ぶつけてないのに体に痣ができて痛くないのは放置して大丈夫ですか?
今村 英利 医師
危険な皮下出血によるあざでも痛みがでないこともあります。あざが複数ある場合や繰り返す場合には一度内科を受診しましょう。
身に覚えのないアザができやすいのは病院で治療できますか?
今村 英利 医師
診断がつけば治療可能です。
いつの間にかできたあざが気になるのですが皮膚科で消せますか?
今村 英利 医師
原因によって消せるあざもあります。まずは、病院で相談しましょう。

