
永作博美が主演を務める火曜ドラマ「時すでにおスシ!?」(毎週火曜夜10:00-10:57、TBS系)の第6話が5月12日に放送された。14年前に事故で夫が亡くなってから、一人息子・渚(中沢元紀)を女手一つで育ててきたみなと(永作)。優しい渚が思わず漏らした本音にショックを受け、視聴者からは「親子関係は難しいね」という声が上がった。(以下、ネタバレを含みます)
■50歳の主人公が第二の人生を歩み出す姿を描く“人生応援ドラマ”
本作の主人公は、14年前に夫を亡くして以来、一人息子のためにまっすぐに生きてきた50歳の待山みなと(永作)。スーパーの正社員として働く一方、子育て卒業という大きな一区切りを迎え、ひょんなことから3カ月で鮨職人になれる“鮨アカデミー”に通うことに。さまざまな出会いによって自分のために生きる一歩を踏み出していく姿を描く。
みなとが通う鮨アカデミーの堅物講師・大江戸海弥役を松山ケンイチ。みなとの個性豊かなクラスメートとして、大手コンサルティング企業からキャリアチェンジを図る柿木胡桃役をファーストサマーウイカ、寡黙だが誰よりも鮨を学びたいという意欲にあふれる森蒼斗役を山時聡真、仕事をリタイア後に趣味として鮨を習いにやって来たダンディーで多才な紳士・立石船男役を佐野史郎。また、みなとのかけがえのない一人息子・渚役を中沢元紀が務める。
■渚がみなとに衝撃的な言葉を投げかける
新幹線の運転士になるべく研修中の渚だったが、体調を崩してしばらく実家で療養することに。かいがいしく世話を焼こうとするみなとを拒絶し、ふさぎ込む渚。
まだ体調が戻り切っていない中、「置いていかれる」と研修に戻ろうとする渚に、みなとは「そんなことより、まず体を治すことのほうが大事でしょ」と声をかける。すると、「そんなこと?『そんなこと』なの?俺が置いていかれて、運転士になれなくてもおんなじこと言えるの?」と渚。
それでも体が第一だと訴えるみなとに、渚は「今までさんざんプレッシャーかけてきたくせに。俺のこと、立派とか、誇りとか、新幹線乗るのが楽しみだとか」と言い返す。みなとがなおも心配して背中に触れると、「重いんだって!重いんだって、そういうのが全部」と声を荒げた。
続けて「やめて、そうやって背中触るの、やめて。お父さんが死んでから毎朝毎朝。『いってらっしゃい』が言えなかった?知らないよ、そんなの俺に関係ないでしょ。ずっと嫌だった。その手が。がんばれ、がんばれって呪いかけられているみたいで」とまくし立てた。
第1話冒頭、就職して寮に入るため、家を出ていく渚が「ん」と背中を見せて、その背中にみなとが両手をしばらく当ててから、トンとたたいて「いってらっしゃい」と送り出すというシーンは視聴者の胸をじわっと温かくした。だが、今の心理状態もあって重く感じてしまったのだろう。
■ショックを受けたみなとを泉美たちがフォローする
鮨アカデミーの授業で、寿司を握る自分の手を見て渚の言葉を思い出してしまうみなと。そんなみなとの様子が気になった大江戸は、授業を終えて帰るみなとを尾行。それにみなとが気付いたところで、カラオケスナック「べてらん子」のママ・蘭子(猫背椿)に遭遇し、2人は店に連れて行かれた。
店に入るなり、みなとは「どうしたらいいの!」とぶちまけた。生きるためにがんばれと自分を奮い立たせてきたが、その思いを押し付けてしまっていたかもしれない。それが「呪い」をかけることになったと弱音を吐く。
偶然に店にきていたみなとの親友・泉美(有働由美子)は「お互い大切に思っているからこそ、息苦しくなってるだけじゃない?」とフォローし、蘭子は「余白を作るべきよ。2人が息苦しくなり過ぎないような、余白」とアドバイス。そこにみなとと大江戸を追いかけてきた胡桃も加わり、自身の経験から「軸ができ始めてるからじゃないですか。その軸が育つのは、いい距離感の始まりなんじゃないか」と語った。
■みなとと渚の様子から「考えさせられる」と視聴者
そんな中、大江戸は渚のこともフォローした。
酔いつぶれたみなとを迎えに来た渚を、鮨アカデミーの体験授業に誘った大江戸。そこで大江戸は、修業時代に何度も叱られる失敗をしたが「自分の好きを突き詰めているときって、失敗も楽しいんですよね」と語った。
また、体験授業の手伝いをしていた蒼斗は、「あんな人がお母さんって、うらやましいです。程よくあったかい足湯みたいな。俺の母ちゃんなんて、煮えたぎった五右衛門風呂だからなぁ」とみなとを褒めた。
大江戸の経験談は、努力家で完璧主義的な渚の考えに“余白”をもたらしたのではないだろうか。そして、自分の知らない母の一面をユニークな比喩を交えて教えてくれた蒼斗の言葉に、ガチガチだった表情を緩めたのもよかった。
体験授業からの帰り、亡き父がよく買っていたケーキを購入した渚。みなとも同じケーキを買っていて、2人は久しぶりに笑い合った。
ただ、渚は暴言について謝ったものの、会社で起きていることについては「もう少し待ってて」とかたくなに話そうとしなかった。心配は続くが、問題と向き合い、自分の中で整理がつけられるのは、きっと時間も必要なのだ。
視聴者からは「親子の距離感って難しいよね」「息子を持つ母として考えさせられる」「心配しちゃう親の気持ち、放っておいてほしい子どもの気持ち、どっちもぶっ刺さる」「信じて見守るの、難しい」「愛ゆえに…なんだけどね」などの反響があった。
◆文=ザテレビジョンドラマ部

