日頃から頭痛に悩まされている方は意外と多いものです。頭痛はひどくなると何もする気になれないくらい辛いため、早めに対処をする必要があります。
頭痛には種類があり、頭痛に対処するには、自分の頭痛のタイプを知っておくことが大切です。
なかでもよく耳にするのは緊張型頭痛と偏頭痛ではないでしょうか。
今回は、緊張型頭痛の原因・症状・治療・自分でできる対処法をまとめていきます。偏頭痛との違いも記述しているため、対処する際の参考にしてみてください。
※この記事はメディカルドックにて『「緊張型頭痛」とは?治療法・症状・原因についても解説!【医師監修】』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

監修医師:
甲斐沼 孟(上場企業産業医)
大阪市立大学(現・大阪公立大学)医学部医学科卒業。大阪急性期・総合医療センター外科後期臨床研修医、大阪労災病院心臓血管外科後期臨床研修医、国立病院機構大阪医療センター心臓血管外科医員、大阪大学医学部附属病院心臓血管外科非常勤医師、大手前病院救急科医長。上場企業産業医。日本外科学会専門医、日本病院総合診療医学会認定医など。著書は「都市部二次救急1病院における高齢者救急医療の現状と今後の展望」「高齢化社会における大阪市中心部の二次救急1病院での救急医療の現状」「播種性血管内凝固症候群を合併した急性壊死性胆嚢炎に対してrTM投与および腹腔鏡下胆嚢摘出術を施行し良好な経過を得た一例」など。
緊張型頭痛の診断と治療方法

緊張型頭痛はどのように診断されるのでしょうか。
緊張型頭痛の診断をするには、まず問診で患者さんの状態を確認することからはじめます。
その後、頭痛を引き起こす別に疾患と区別するために頭部CT・MRI・レントゲン・血液検査・尿検査などの検査を患者さんの状態に応じて行うことがあります。
ただ、緊張型頭痛を確定できる検査はありません。患者さんによる症状の説明と診察で判断を行うことが多いです。
何が原因で頭痛を引き起こしているかも同時に探っていきます。
緊張型頭痛の治療方法を教えてください。
緊張型頭痛の治療は鎮痛剤など薬の処方・運動療法・精神療法が主です。
筋肉の緊張が原因の場合は、ストレッチやトレーニング・入浴など心身のリラクゼーションを中心に治療を行います。薬は鎮痛剤が処方されることが多いです。
筋肉の緊張が強い場合は、筋弛緩薬や抗不安薬が処方されます。
精神的なストレスが原因で頭痛が起こっている慢性緊張型頭痛の場合は、抗不安薬が有効に働くケースも多いです。
薬が効かない場合があると聞きましたが…。
反復性緊張型頭痛は、肩こりなど身体的なストレスから起こるため、鎮痛剤や筋弛緩薬が有効に働く可能性があります。
しかし、慢性緊張型頭痛は精神的なストレスが原因で誘発されるため、鎮痛剤があまり効かないケースがあるのです。
精神的なストレスが原因の頭痛の場合は、痛みのある場所に作用する消炎鎮痛剤が効きません。精神的なストレスを取り除くことが大切です。
効かないからと、消炎鎮痛剤を多用してしまうと、かえって頭痛が取れにくくなります。
また、病院で緊張型頭痛の薬をもらっていて急に治療薬を中止したとたん頭痛が悪化・発生することも多いです。
そのため、病院で治療を受けている際の薬の使用は医師の指示に従うようにしてください。
編集部まとめ

緊張型頭痛は、頭痛の種類の中でも片頭痛とともによく耳にする疾患でストレスなど生活習慣などが原因で起こりやすい頭痛とされています。
頭痛の改善には自身の頭痛のタイプを把握しておくことが重要です。緊張型頭痛に悩まされているなら、鎮痛剤を使いながら生活を見直す必要があります。
頭痛の専門医ならより正しい診断・治療が可能です。緊張型頭痛がセルフケアでも緩和されない場合は、病院を受診して適切な治療を受けましょう。
参考文献
緊張型頭痛|MSDマニュアル
緊張型頭痛について|病院ナビ

