「外耳炎」は放置するとどうなるかご存じですか?治療法について医師が解説!

「外耳炎」は放置するとどうなるかご存じですか?治療法について医師が解説!

外耳とは鼓膜より外側の耳の部分をいいます。この部分で炎症が起こる症状を外耳炎と呼んでいます。

外耳炎はさまざまな原因によって発症する病気で、発症の原因によって治療法も違うものになるでしょう。また外耳炎は日常的な行為のほんの些細な原因によって発症することもあります。

それだけに外耳炎は誰にでも発症の可能性がある、身近な病気といえるかもしれません。もし外耳炎になってしまったらどうしたらよいのか、外耳炎について考えてみましょう。

※この記事はメディカルドックにて『「外耳炎」の症状・原因はご存知ですか?医師が監修!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

郷 正憲

監修医師:
郷 正憲(徳島赤十字病院)

徳島赤十字病院勤務。著書は「看護師と研修医のための全身管理の本」。日本麻酔科学会専門医、日本救急医学会ICLSコースディレクター、JB-POT。

外耳炎の検査・治療

カウンセリングを受ける女性

外耳炎ではどんな検査を行いますか?

外耳炎の検査として主に行われるのは、各種の耳鏡や内視カメラによって外耳の中を確認することです。耳だれがある場合には耳だれの一部を採取し、細菌培養検査を行うこともあります。
外耳炎に限りませんが、聴力検査・ティンパノメトリ(外耳道内に耳栓を入れ、圧力をかけて鼓膜、中耳伝音系の可動性や硬さを診る)などの検査を行うこともあるでしょう。

外耳炎の治療方法を教えてください。

外耳炎での治療で初めに行うのは、吸引機などによる外耳道内の分泌物の除去です。分泌物が多量にあって外耳道を塞いでしまっていた場合、分泌物の除去により耳が聞こえにくい症状が改善される可能性があるでしょう。
外耳道から分泌物を除去した後は抗生剤・副腎皮質ステロイドを含む軟膏・点耳薬を用います。なお重症の場合には飲み薬として1週間分ほどの抗生剤を処方することもあります。
通常の外耳炎ならば、これらの治療法によって回復していくことでしょう。治療後に特に重要なことは約1〜2週間の間、耳掃除を行わないことです。これが一番の治療方法といってよいかもしれません。

外耳炎はどれくらいで治りますか?

症状の様子や個人差があるので一概にはいえませんが、おおよその目安としては10日前後で治るでしょう。
通常では外耳道から分泌物を除去し、抗生剤や副腎皮質ステロイドを含む軟膏などを塗布すると自然に治癒していくことが多いです。ただし、真菌(カビ)によって炎症が起こる外耳道炎の1種、外耳道真菌炎ではその他の細菌による外耳道炎よりも治るまでに時間がかかることが多くなります。
しかも繰り返しがちなので慢性化することもあり、根気良く治療することが必要です。こういう場合では完治するまで数ヶ月かかってしまうこともあるでしょう。

外耳炎は自然治癒しますか

すべての外耳炎が自然治癒するわけではないのですが、症状が軽い場合においては自然治癒することもあります。
その際は耳掃除やプールなどでの水泳による入水、イヤホンの使用などを控えることが前提となります。ただし数日経っても症状が改善されない場合は、耳鼻咽喉科への受診をしてください。
なお外耳炎の症状が軽症だとしても糖尿病の合併がある場合は、重症化する場合があります。もし糖尿病を持っていて外耳炎にかかったと思われる場合は、自然治癒を望んでいても糖尿内科の受診で担当医と相談し、耳鼻咽喉科への受診も行ってください。

編集部まとめ

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外耳炎は自覚症状としてかゆみや痛みがあります。原因によって耳の中に違和感などを覚えることもあるかもしれません。ただ症状を感じてもいつの間にか収まっていることがあります。

気をつけたいのは、かゆいからとつい耳をかいてしまうことやイヤホンを長時間使用していることが外耳炎を発症し悪化させてしまう原因になっていることです。

耳のかゆみやイヤホンの使用など気をつけることがない分、外耳炎になる可能性があることに注意しましょう。もし耳に違和感などを覚えたら迷わず耳鼻咽喉科で受診してください。

参考文献

耳の症状(日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会)

配信元: Medical DOC

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