「痛みが引いた後の食事」は落とし穴! “AGML”の再発を招く【NGな行動】

「痛みが引いた後の食事」は落とし穴! “AGML”の再発を招く【NGな行動】

AGMLの治療は、症状の重さや原因によって大きく異なります。外来での薬物療法で対応できるケースがある一方、出血が続く場合には入院のうえで内視鏡的な止血処置が行われることもあります。どのような治療が行われるのか、また回復期に気をつけたい食事や生活の工夫についても、ひとつずつ整理してご紹介します。

中路 幸之助

監修医師:
中路 幸之助(医療法人愛晋会中江病院内視鏡治療センター)

1991年兵庫医科大学卒業。医療法人愛晋会中江病院内視鏡治療センター所属。米国内科学会上席会員 日本内科学会総合内科専門医。日本消化器内視鏡学会学術評議員・指導医・専門医。日本消化器病学会本部評議員・指導医・専門医。

急性胃粘膜病変 (AGML) の治療法:薬物療法から入院管理まで

AGMLの治療は、症状の重さや原因によって異なります。外来での薬物療法から、重症例では入院管理が必要となる場合もあり、適切な対応を知ることが大切です。

薬物療法の種類と効果

AGMLの治療の基本は薬物療法です。主に使用される薬剤には以下のものがあります。

・プロトンポンプ阻害薬(PPI):胃酸の分泌を強力に抑制する薬で、粘膜の修復を助けます
・H2ブロッカー:胃酸分泌を抑える薬で、PPIほどではないものの効果が期待できます
・粘膜保護薬:胃粘膜を守る薬で、防御機能の回復を促します
・制酸薬:胃酸を直接中和する薬で、即効性があります

症状の程度に応じてこれらを組み合わせることもあります。また、ピロリ菌感染が確認された場合は除菌療法を行うことで、再発リスクの低減が期待できます。

出血時の緊急対応と内視鏡的治療

出血が確認された場合や、黒い便(タール便)・吐血が続く場合は、入院のうえ経過観察が必要となることがあります。内視鏡検査で出血部位が特定された場合は、クリップによる止血や電気凝固による止血処置が行われます。これらは外科的手術に比べて身体への負担が少なく、多くの場合で有効な方法です。

大量出血や内視鏡的止血が困難な場合には、外科手術が検討されることもあります。ただし、こうした重症例は全体の中では限られており、早期受診によって多くのケースでは内科的治療で対応可能です。

回復期の管理と食事・生活指導

急性期が落ち着いた後は、食事管理と生活習慣の改善が回復を支える重要な柱となります。回復初期は消化に良い食事(おかゆ・うどんなど)を少量ずつとることが推奨されます。刺激物(辛いもの・酸味が強いもの)・アルコール・カフェインは粘膜への再刺激になるため、しばらく控えることが望ましいです。

また、NSAIDsの服用が原因の場合は、代替薬への変更や胃粘膜保護薬の併用について処方医と相談することが大切です。回復期間は個人差があり、症状の経過を医師と丁寧に確認しながら治療を進めることが再発防止につながります。

まとめ

急性胃粘膜病変(AGML)は、突然の激しい胃痛・黒い便・吐血などの症状を伴う、迅速な対応が求められる疾患です。ストレス・薬剤・アルコールなど原因はさまざまですが、適切な診断と治療によって多くの場合で回復が期待できます。気になる症状を感じたら自己判断せず、早めに消化器内科・胃腸内科へ受診することが大切です。日常生活の見直しと定期受診を続けることが、AGMLの再発を防ぐ近道となります。

参考文献

日本消化器病学会「消化性潰瘍診療ガイドライン2020」

国立研究開発法人 国立がん研究センター「胃がん」

厚生労働省「ヘリコバクター・ピロリ除菌の保険適用による胃がん減少効果の検証について」

配信元: Medical DOC

提供元

プロフィール画像

Medical DOC

Medical DOC(メディカルドキュメント)は800名以上の監修ドクターと作った医療情報サイトです。 カラダの悩みは人それぞれ。その人にあった病院やクリニック・ドクター・医療情報を見つけることは、簡単ではありません。 Medical DOCはカラダの悩みを抱える方へ「信頼できる」「わかりやすい」情報をお届け致します。