指導教員の立場にあった早稲田大学の元准教授の女性から性交渉を強要されたなどとして、元学生の男性が女性に計700万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審で、東京高裁(市原義孝裁判長)は、男性側の控訴を棄却した。判決は4月28日付。
判決は、2人の間に性交渉があった事実は認定した一方、女性による強要は認められないと判断。男性側の請求を棄却した1審・東京地裁判決を支持した。
●高裁も「強要は認められない」と判断
1審・東京地裁判決(2025年6月)は、2017年3月から2018年9月にかけて、2人の間に継続的な性交渉があった事実を認定。そのうえで、女性による強要は認められないとして、男性側の請求を棄却していた。
訴訟で、女性側は性交渉そのものの事実も否定していたが、東京高裁も性交渉があったと認定した。
一方で、強要の有無については、2人のメッセージのやり取りや、男性が当時20歳を超えており判断能力も有していたことなどを踏まえ、強要されたとは認められないと判断。地裁判決と同様の結論を維持した。
また、控訴審で男性側は、大学の教員は指導する学生を性的に誘惑したり、性交渉をしたりしてはならない法的義務を負っているから、性交渉の事実だけで違法となるなどとも主張していたが、高裁は採用しなかった。
東京高裁によると、男性側は上告したという。
●大学とは2024年に和解成立
訴状などによると、男性は2014年に早稲田大学に入学し、2018年から大学院修士課程、2021年から博士課程へ進学した。
男性側は、2017年から2018年にかけて、指導教員だった女性から性交渉を強要されたほか、子どもの世話をさせるなどのハラスメントを受けたと主張して、2022年3月に提訴していた。
大学も被告となっていたが、2024年5月に男性側と訴訟上の和解が成立。大学側は、性交渉やハラスメントの事実を認め、謝罪している。
(弁護士ドットコムニュース編集部・塚田賢慎)

