病院の事務員のみささんは、子どもを保育園に預け、時短勤務で働いています。
夫は残業続きで、保育園のお迎えも担うみささんは、毎日時間に追われながら働いていました。職場では頼りにされる存在で、困っている後輩にも快く手を差し伸べます。しかし、院長は時短勤務を毛嫌いしており、「時短のくせに」と、みささんにハラスメントを繰り返しています。
院長は、女性が子育てと仕事を両立しようとすることが気に食わないため、「時短制度をなくせないなら、俺が辞めさせてやる」と、嫌がらせをして退職に追い込もうと考えていました。
一方、みささんも辞めたい気持ちを抱えていましたが、収入が減る不安や、子育て中の転職の難しさを考え、今の職場で耐えるしか道がないと思っていました。
ある日、院長から定時15分前に、大量のカルテ処理を「今日中にやれ」と押しつけられたみささん。保育園のお迎えがあるため他の人に引継ぐことを伝えると、「今日中にやれなければ減給もある」と追い詰められます。さらに、周囲には「手を貸すな」と圧をかけ、それに怯えた同僚たちは助けてくれそうにもありません。
激務の夫も遠方の両親にも頼れない状況で、みささんは窮地に立たされていました。
みささんが出した結論は…












※ジタハラ:時短ハラスメント




「とりあえずお迎え行ってきます。その仕事は置いておいてください」
職場の同僚たちにそう伝え、一旦保育園に行き、子どもを連れて再び職場に戻ったみささん。
すると、院長に押し付けられた大量のカルテが処理しやすいように整理され、机に並んでいました。
「一体誰が!?」
ひとまず、思っていたより早く作業が終わりそうでホッとしているところに、後輩のまりちゃんが「手伝えることはありますか?」と声を掛けてくれました。
実は、院長の時短ハラスメント(ジタハラ)に耐えるみささんの姿を見ていた同僚たちが、力を合わせて途中まで片付けてくれていたのです。ずっと一人で嫌がらせに耐えてきたみささんは、「一人じゃなかったんだ……」と、涙が込み上げたのでした。
▼誰も助けてくれないと思っていても、実は見えないところで気に掛け、支えようとしてくれている人がいる――声に出さなくても、味方がいてくれるというだけで救われることもありますよね。「手を貸すな」と釘を刺された同僚たちがみささんを助けるために動いたのは、彼女がこれまで誠実に仕事へ向き合ってきたからこそかもしれませんね。
一方で、時短勤務を理由にした嫌がらせや過度な残業の強要が続く場合は、日時や発言内容をメモに残し、やり取りを保存しておくことが大切です。そのうえで、人事部や相談窓口、各都道府県の労働局にある「総合労働相談コーナー」へ早めに相談することも、自分を守る行動のひとつです。我慢し続けることだけが正解ではありません。困ったときにはひとりで抱え込まず、周囲を頼り自分を守る行動を取ることも大切にしたいですね。
著者:マンガ家・イラストレーター こっしー

