
「あの男の無実を証明してもらいたい!」、それは黒猫からの依頼だった。“あの男”とは古い一軒家にひとりで住む男で、彼の近所ではここ数日で4回、窃盗事件が起こっていた。最初の犯行が彼の隣の家だったため、近所に住む主婦たちは何の証拠もないのに、声をひそめて彼が犯人ではないかと噂をしていた。

しかし、黒猫は知っていたのだ、彼が犯人ではないことを――。なぜなら最初の犯行時刻に、黒猫は彼からごはんをもらい、一緒に過ごしていたから。果たして真犯人を突き止めて、男の無実を証明できるのか!?
本作『黒猫探偵社へようこそ』を描いたのは、「ジャンプルーキー!」にオリジナル漫画を掲載している夏野ばな菜(@NatsunoBanana)さんである。夏野ばな菜さんに本作について話を聞いてみた。

――黒猫が真実を知っている存在として描かれているのが印象的でした。なぜ「人間ではなく黒猫」にその役割を持たせたのでしょうか?
「いつもと同じ何気ない日常の延長線には、実はとんでもない非日常が待っているかもしれない」…そんなドキドキ感や期待感を作品に込めました。そして、それを普段から待っているようなヒロインが、“とんでもない非日常”を普通に受け止めるのもまたおもしろいかなと思いました。
――本作では、証拠がないままひとりの男性が疑われてしまう展開が描かれています。このテーマを作品に取り入れた理由について教えてください。
「フェイクニュースで判断した結果、誰かを傷つけてしまうかもしれない」という危惧を常に持っています。全く関係のない第三者だったのに犯人扱いされた人や企業が、嘘の情報を信じた人たちから苦情電話や嫌がらせを受け、ネットで晒され、そして誰かがまたそれにうっかり「いいね」をしてしまう…そんな危険な日常がこの社会には常にあると思います。自分が加害者になるきっかけはいつも身近にあると考え、こういうストーリーにしました。

本作『黒猫探偵社へようこそ』で、主人公のみつはは真犯人を突き止め、男の無実を証明することができた。しかし、近所の主婦たちは男に対して「悪いことをしたわね」とまた噂するのみ。「ネットもそうだけど、真偽もわからないのに乗っかって誰かを責めるって怖いし、かなしい」というみつはのセリフが印象的な作品だ。
夏野ばな菜さんは現在「ジャンプルーキー!」にてリーマンラブコメディ漫画の『SSS』を連載しており、無料で閲覧可能である。楽しい職場と愉快なサラリーマンたちが繰り広げるラブコメディで、現在は登場人物たちが結婚し、家族が増え…というにぎやかな日常を描いている。本作を読んで夏野ばな菜さんの作品が気に入った人はぜひほかの作品も読んでみて。また、企業漫画や子ども向け学習図鑑の挿絵などの仕事も請け負っている夏野さんは、「新規のお仕事も募集中です!」とのこと。今後の活躍にも期待大だ。
取材協力:夏野ばな菜(@NatsunoBanana)
※記事内に価格表示がある場合、特に注記等がない場合は税込み表示です。商品・サービスによって軽減税率の対象となり、表示価格と異なる場合があります。

