
コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョンマンガ部」。今回は、『朝陽と夜永 過去編』を紹介する。作者の口無羊さんが、4月1日にX(旧Twitter)に本作を投稿したところ、5000件を超える「いいね」やコメントが多数寄せられた。本記事では、口無羊さんにインタビューを行い、創作の裏側やこだわりについて語ってもらった。
■理由なくイジメられ暴行を受ける朝陽

ゾンビパニックが起こっている世界で暮らす朝陽は、同級生からイジメを受けていた。ノートへの暴言や、“臭い”と言われ机を蹴られることもある。朝陽は“自分が何かしたのではないか”と思ってしまう。
身に覚えがないばかりか、自身の存在によって両親まで悪く言われてしまい、死を考える朝陽。しかし、朝陽が暴行を受けている最中に「弱いやつをよってたかって嬲るの、大ッッ嫌いなんだよ。」とイジメっ子を蹴り飛ばす同学年の夜永が現れ…。
このエピソードを読んだ人たちからは、「出会い方が激重」「これで2人とも高校生なのか」「バーサーカーみある」「1発目の蹴りが急所」など、多くのコメントが寄せられている。
■作者・口無羊さん「違う考えをもつ2人の対峙を描きたかったのでキャラクター性を大切に描きました」

――本作を創作したきっかけや理由があればお教えください。
このキャラクター2人の出会いをしっかり描いてやりたいと思って描きました。いじめ問題をやり返すべきか否かを取り扱ったような作品に思えますが、そちらに言及する話ではなく相反する考えを持った2人の出会いを描きたかったという感じです。
――本作では、「疲れる方でよかったと思います。」と言うセリフが非常に印象的でした。本作を描いたうえで「こだわった点」あるいは「ここに注目してほしい!」というポイントがあればお教えください。
まさにそこが注目して欲しかったシーンなのでうれしいです。「暴力を暴力でやり返す事は正しく無い」じゃなくて、ただ単に加害する事が疲れる、嫌だなと感じる人は幸福だと思います。
朝陽には「暴力はダメだよ」じゃなく疲れるし嫌と言わせたかった。この子はちゃんと周りの人に守られてきたのでそれが言えるのかと思うし、自分が幸福な人間だと知ってるから「よかった」と言ってます。暴力を暴力で返す事はよくないみたいな話にしたくなかった。どのキャラが正しくてこのキャラが間違ってるみたいな事もあまり描きたく無い。あくまで違う考えをもつ2人の対峙を描きたかったのでキャラクター性を大切に描きました。
――特に気に入っているシーンやセリフがあれば、理由と共にお教えください。
「疲れる方でよかったです」と、少し前の相反しての夜永(いじめを暴力でやり返して止めた方)の「人の人生邪魔して悪気ないって厚顔無恥さ、教えてやれば?」のシーンです。
夜永は他の漫画で描いてますが過去イジメ問題に関わり深いトラウマを負ってます。弱者を踏み躙る暴力行為を激しく憎んでのセリフなのですが結果的に夜永も暴力でやり返してるから。自分が憎む相手とやってる事が変わりないんですよね。そんな自分を知ってる。夜永が自分を正当化する為に、そこまで言うこと無いのでは?くらいの激しいセリフをずっと羅列するの不器用な人間性が出ていて、好きだなと思います。そんなん作者にしか分からないのですが…。
――普段作品のストーリーはどのようなところから着想を得ているのでしょうか?
自分自身が後悔してきた事とか考えた事を大切に昇華する為に描いてることが多いです。実はこの作品は長く執着して苦しんでた事がありましたが、もう解決しなくていいから一旦もう自分の人生に関係ない、過去のことにしてしまいたい、と思ったのがキッカケで描いた作品になります。
――口無羊さんの作品は、登場人物のセリフや表情が心グッとに刺さります。作画の際にこだわっていることや、特に意識していることはありますか?
1つの作品につき1つセリフが印象に残ればいいと思って書いてるのでうれしいです。このセリフだけ印象に残ればあとは流し見で構わないと思ってるくらいなので、漫画の盛り上げ方はよく考えるようにしてます。表情もセリフも他のキャラと被らないように一人一人考えてるから印象づいてうれしいです!
――今後の展望や目標をお教えください。
目標は今描いてる作品を全部終わらせる事です。あと自分の作品をすごく良く読んでくれてる方々にお返しなど出来たらと思ってます。漫画さえかけてたらなんでもいいから、体を壊さないようにしたいです。
――作品を楽しみにしている読者へメッセージをお願いします!
いつもありがとうございます。大前提自分のためには描いてますが、読んでくださる方々の期待に応えられるような自分でいたい。精進して参ります。

