
北村匠海主演の月9ドラマ「サバ缶、宇宙へ行く」(毎週月曜夜9:00-9:54、フジテレビ系/FODほかにて配信)の第6話が5月18日に放送された。学校自慢のサバ缶を宇宙食にする夢は3期生へつながろうとしていたが、廃校という問題に直面。そこで朝野(北村)とともに同僚教師・黒瀬(荒川良々)も生徒を支えた。(以下、ネタバレを含みます)
■高校教師が生徒たちの挑戦を応援し、自らも成長していく学園ドラマ
本作は、福井県の水産高校の生徒たちが世代を超えて“宇宙食開発”という大きな夢に挑戦した実話に基づくオリジナルストーリー。
地上波連続ドラマ初主演を果たす北村が演じるのは、授業の一環で製造されるサバ缶が自慢の、若水こと若狭水産高校に赴任してきた高校教師・朝野峻一(あさのしゅんいち)。「宇宙食、作れるんちゃう?」という生徒の何気ないひと言が、世代を超えて思いと経験知をつなぎ、大きな夢への挑戦と発展。生徒たちを見守り、ともに伴走する中で、朝野自身も成長していく軌跡を描く。
■宇宙食の夢が途絶えそうになる
第1話で赴任してきたばかりの朝野に廃校の予定があることを伝えた黒瀬。演じる荒川良々の持ち味もあってか、どこかひょうひょうとしていてドライな感じもあった黒瀬だったが、教師として生徒たちを思う様子が第6話では色濃く描かれた。
ドラマとしては第3話で描かれた6年前、JAXA(宇宙航空研究開発機構)宇宙教育センターの皆川有紀(ソニン)が若水に来て「小浜の伝統である“鯖街道”を宇宙までつなげてほしい!」と語った。生徒たちとともにその言葉を聞いた男子小学生2人が、その夢をつなぐため若水に入学しようと決意した。
彼ら、井畑雄介(荒木飛羽)と佐伯健人(市原匠悟)は、その言葉どおりに若水に入学。だが、井畑は補導を繰り返すほどに荒れていた。高校3年生になった新学期早々に3度目の指導となり、朝野は、「この時期に、停学とかになったら」と心配するが、井畑は「別に退学でええよ。こんなとこ卒業してなんになるん。どうせ廃校やし」と投げやりな態度を見せた。すると、黒瀬が「お前は、また!退学と廃校は別問題や。屁理屈言うな」と叱りつけた。
ただ、廃校はいよいよ本当に現実問題として迫っていて、井畑以外の生徒も「どうせ廃校」と口にしていた。黒瀬も「結局、お上はわしらが言うても聞いてくれんのや」と本音では沈んでおり、朝野が生徒たちと進めてきた宇宙への夢に関しても途切れそうなことを残念に思っていた。
宇宙食への挑戦は生徒たちが2年生からの実習テーマの一つとして自由に選んで行ってきたが、前年からテーマは学校が決めたもののみとなってしまったのだ。
■井畑が幼なじみの佐伯と疎遠になり、荒れてしまった理由
井畑らが高校3年生になったのは2012年のこと。その前年に東北で起きた大震災が、小浜のまちにも暗い影を落としていた。タピオカ店の店主・田所(八嶋智人)はボランティアのために店を閉め、多くの漁師たちは燃料の値上げに悩んでいた。
井畑も、女手一つで彼を育てる母親が岩手在住の父親、井畑にとっては祖父の生活を助けるために出向いて、一人暮らしに。その前までは幼なじみの佐伯と仲良く夢を抱いていたが、廃校の話も進んで、実習も選べなくなり、次第に心が荒れていった。
心無い言葉を佐伯に投げかけて、悪い仲間とつるむようになった井畑。一方、佐伯は「宇宙サバ缶をなくしたくない」という思いで、サバ缶を災害食にすることを考え、授業外の活動となっても一人で奮闘を続けた。
■先輩教師として、生徒を思う教師として、存在感が光った黒瀬
そんな中、朝野は教師としての悩みを黒瀬に相談。「正直、どうしたらいいかわからないんです。対話をする。生徒の気持ちを引き出す。それが難しければ生徒を待つ。でも、これってただの理想で、きれいごとな気がしてきて」。
黒瀬は「そやな」と同意しながら「でも待つしかないんちゃうかな」と助言した。
また、黒瀬の優しさは、井畑にも向けられた。悪い仲間とけんかし、夜遅くに外にいた井畑に寄り添う黒瀬。「怒らんの?」と井畑が問いかけると、「負けたやつ怒るほど、わしも鬼ちゃうわ」と返した。そして「何があったん?言いたくないなら、ええけど」と続けた。
朝野が言っていた「生徒の気持ちを引き出す」こと。それをまさしく実践する黒瀬。井畑は、けんかの原因が、悪い仲間が佐伯にからもうとしていたからだと明かすと、「男気あるやん」と言う。それに対し「一応、けんかやで。そんなん先生が言ってもええの」と井畑がツッコむと、「ええやろ、私服やし」と答えた。すると、井畑は他に抱えていた思いもポツリポツリと黒瀬に打ち明けていった。
教師でありつつ、時に一人の大人として、生徒の隣で寄り添い、いいところを認める黒瀬の優しさ。2人がいる場所に偶然通りかかり、物陰から見ていた朝野も、先輩教師の寄り添い方から学んだはずだ。
井畑は黒瀬に背中を押され、また、朝野が佐伯の背中を押し、井畑と佐伯は2人で再び夢を追いかけることに。クラスメートに「一緒にやりませんか」と頭を下げる成長も見せ、3期生として夢をつないだ。
視聴者からは「黒瀬先生のような力の抜けたベテラン先生ってよい」「黒瀬先生と井畑くんのシーンで泣けた」「今日のMVPは黒瀬先生だったな」「黒瀬先生大活躍」「黒瀬先生の距離感も朝野先生の距離感もそれぞれ違うけどどちらもいいんだよな」などと反響があった。
ラストで、廃校問題は「若水の未来を考える会」を立ち上げたダイビングショップオーナー・檜山香織(熊切あさ美)の活躍もあって、他の高校と統合し、海洋科学科として存続するという「ウルトラC」な展開に。3期生から4期生へ。さらなる挑戦が始まる。
◆文=ザテレビジョンドラマ部

