
薄暗い森の中を逃げる女性。それを追う黒い影。そんな不穏なワンシーンからこの漫画はスタートする。女性はなぜ追われているのか?彼女の安否やいかに…?本作「縁(よすが)のあずかりもの」を描いたのは、漫画家の湊月(@mizunashi1025)さん。大学在学中に漫画雑誌に出した作品が賞を受賞。社会人になってからウェブ漫画にシフトし、「氷のような夏は恋に溶ける」(コミックスマート)でデビューした。そんな湊月さんに本作について話を聞いてみた。
■「ただの優しいお兄さん」から、ブラッシュアップを経て本来表現したかった人物像へ



若い女性の失踪事件が相次ぐのどかな田舎町では、警察が懸命に捜査を続けるも手がかりは見つからず、女性たちの行方はわからないまま。そんななか、森で倒れていた記憶喪失の女性を「あずかり屋」の青年が発見する。本作「縁(よすが)のあずかりもの」は、不穏な事件の中にさわやかな空気感と疾走感が描かれている。
本作の制作について、作者の湊月さんは「その年に観た映画から着想を得て、さわやかな空気感と訳ありな少年少女や疾走感のあるお話が描きたいなとふんわり思ったのがきっかけでした」と明かす。進めていた別企画がなくなった際に思い出した本作の設定をブラッシュアップし、キャラクターデザインとともに企画書を送ったところ好感触を得られ、連載へと繋がったと話してくれた。
読切版のデビュー作「氷のような夏は恋に溶ける」と連載版の本作ではストーリー展開が異なる一方、「事件が起こる夏の田舎町」「家出少女とお店をしているお兄さんが出会う」という設定や登場人物の名前は共通しているとのこと。登場人物を増やすなどさまざまな変更を加えたそうで、読切版では「ただの優しいお兄さんになってしまった」と感じていたキャラクターについても、本来描きたかった姿を描けてよかったと振り返る。書籍化作品の原型となり、湊月さんの原点ともいえる本作をぜひ一度読んでみてほしい。
取材協力:湊月(@mizunashi1025)
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