肩を大きく使うスポーツや筋トレは、五十肩の炎症期には症状を長引かせるリスクがあります。水泳やテニス、ゴルフといった種目はもちろん、ウエイトトレーニングの一部種目も注意が必要です。一方で、肩に直接の負荷がかからないウォーキングなどは、血行を保ちながら身体全体の回復をサポートする活動として取り組みやすいとされています。五十肩の経過中に「してよいこと」「控えるべきこと」を整理してご説明します。

監修医師:
中路 幸之助(医療法人愛晋会中江病院内視鏡治療センター)
1991年兵庫医科大学卒業。医療法人愛晋会中江病院内視鏡治療センター所属。米国内科学会上席会員 日本内科学会総合内科専門医。日本消化器内視鏡学会学術評議員・指導医・専門医。日本消化器病学会本部評議員・指導医・専門医。
五十肩を悪化させる運動・スポーツの注意点
運動やスポーツを好む方にとって、五十肩の治療中も身体を動かしたいという気持ちは自然なことです。しかし、種目によっては肩への負荷が大きく、症状の悪化につながる可能性があります。適切な活動の範囲を理解することが求められます。
避けるべき運動・スポーツ
炎症期には肩に負荷をかける運動は原則として控えることが基本です。特に注意が必要なのは、水泳(クロールや背泳ぎ)、テニス、野球、ゴルフ、バレーボールなど肩を大きく使うスポーツです。これらは肩関節を広い可動域にわたって繰り返し動かすため、炎症組織への刺激が継続し、症状が長引くリスクがあります。
ウエイトトレーニングにおいても、ショルダープレスやラットプルダウンなど肩関節を主に使う種目は五十肩の経過中には避けるべきです。腕立て伏せや懸垂も肩への負荷が大きいため、炎症が落ち着くまでは控えることが望ましいです。スポーツの再開は症状の回復状況に応じて医師と相談のうえ、段階的に進めることが大切です。
五十肩の経過中でも取り組みやすい活動
肩に大きな負担をかけない運動であれば、五十肩の経過中でも身体全体の血行を保ち、体力の維持に役立てることができます。ウォーキングは全身の血行を促進し、炎症の回復をサポートする効果が期待できます。肩への直接的な負荷は少ないため、炎症期でも医師の許可があれば取り組みやすい活動の一つです。
ストレッチについては、先述の通り強引に行うことは避け、医師や理学療法士の指導のもとで行うことが前提です。肩甲骨周囲の筋肉(僧帽筋や菱形筋など)の柔軟性を保つことは、肩関節への負担を分散させるうえでも有益とされています。五十肩の回復中は、「肩を使わない範囲で身体を動かし続ける」ことを意識することが大切です。
まとめ
五十肩(肩関節周囲炎)は適切な知識と対処によって、回復の道筋をより確かなものにできる疾患です。夜間痛への寝姿勢の工夫、悪化させる行動を避ける意識、そして炎症に配慮した食事管理——これらを組み合わせることが、生活の質の維持と回復促進につながります。症状が続く場合や夜間痛が強い場合は、整形外科などの医療機関を受診し、専門家の指導のもとで治療とリハビリに取り組むことをおすすめします。
参考文献
日本整形外科学会「五十肩(肩関節周囲炎)」
日本リハビリテーション医学会「運動器のリハビリテーション治療」
厚生労働省 e-ヘルスネット「身体活動・運動」
- 「五十肩(肩関節周囲炎)」に有効なストレッチはご存知ですか?【医師監修】
──────────── - 「五十肩の原因」はご存知ですか?発症した際にやってはいけないことも解説!
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