主人公は、木本家の二男・幹也のもとに嫁いだ梢。義母を始め、基本的にやさしい木本家の人々ですが、実は初めての訪問のときから、ちょっと困りごとがありました。それは、幹也の兄・草一の存在。この義兄、結婚せず、中年になっても実家に住み続けている、いわゆる「子ども部屋おじさん=(こどおじ)」で…。
木本家の二男・幹也と結婚した梢は、結婚前、義実家を初訪問したとき、無精ひげに下着姿で現れた、幹也の兄・草一の言動にドン引き。幹也によると、義兄は地元では有名な進学校に通っていたものの、大学生くらいから家にこもるようになり、仕事もせずに「充電期間中」なんだそう。義父や義母はやさしく話しやすいのですが、義兄だけは結婚後もほとんど話すことはありませんでした。
その後、妊娠した梢のもとに、夫の留守中にもかかわらず、突然訪問してきた義母と義兄。義母は、妊娠9カ月になった梢のトイレが近いことを「わかるわぁ」と共感しつつも、「早く出してらっしゃい」と義兄の前で下半身についての話題をあけすけに話し、梢は恥ずかしく思っていました。
しかし、義母は「子どもが生まれたら大変だと思うけど、いつでも私たちを頼ってね」「家族ですもの。助け合っていきましょうね」「まずは自分の体を大事にしてね」と、義母は何かと梢のことを気づかってくれる存在でもありました。梢はそんな義母に「いつまでもいい関係でいたいな…」と思いつつ、2人を見送ったのでした。
いよいよ梢は出産を迎える















いよいよ迎えた出産。梢はもう我を忘れるような気持ちになりながら、必死で痛みに耐えていました。そして、もう生まれる!というそのとき、ガチャッ!と分娩室のドアが開き、義母が分娩室に走り込んできたのです! しかも義兄まで!
「オギャア」という産声が聞こえたとほぼ同時に見えた義母の姿に「え?」と硬直する梢。産院スタッフに「おめでとうございます!」と言われ、「よかった」と安堵の気持ちになるとともに「なんでお義母さんとお義兄さんがいるの?」と訳が分からない梢は、義母に「梢さん、おつかれさま!」と言われても「はぁ…」としか言えません。
梢の母が「お義母さん…来られたんですね」と言うと、義母は悪びれることもなく「もちろん!初孫の誕生ですもの!」と言い、夫は「楽しみにしてたもんな。立ち会いたいとも言ってたし」と言う始末。
梢は「人生でいちばんすべてをさらけ出しているのに、なんでお義兄さんまでいるのよ」と怒りに震えつつ、初めての家族写真を撮ったのでした。
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初めての出産――。自分がどんな姿になるのかもわからないその瞬間に、義母が断りもなく入ってくるなんて、びっくりしてしまいますね。「夫にも見られたくない」という人も少なくないのに、まさかの義兄まで入ってくるなんて…ちょっとあり得ません。
そして、そのあり得ない状況を、「母さん、楽しみにしてたもんな。立ち合いたいって言ってたし」で済ませる夫もちょっと理解しがたいですね…。梢の様子からして、義母を分娩室に入れてもいいかを、夫は梢にまったく確認していなかったように思われます。
生まれてくるのが孫、しかも初孫で相当楽しみだったとしても、出産を誰とどう迎えたいかは、妊婦さんの意思をいちばん尊重してほしいもの。今回の梢のような状況にならないためにも、出産前に「出産時にしたいこと」だけでなく「出産時にしてほしくないこと」も夫婦でしっかり話して共有しておくとよさそうですね。
著者:マンガ家・イラストレーター 音坂ミミコ

