
一匹の野良猫が、人間に無理やり「保護」されるところから物語は始まる。狭いケージ、見知らぬ天井、そして自分を見てなぜか嬉しそうに笑う人間。2026年5月現在、猫を愛する人々の間で「これは泣く」「うちの子と重なる」と話題を呼んでいるのが、かっく(@cak221)さんの漫画『愛に理由はないから』だ。
自由を奪われたと思っていた猫が、いつしか人間の帰りを待ちわびるようになるまでの心の機微を描いた本作。コメント欄には、かつて保護猫を家族に迎えた飼い主たちからの感動の声や、愛猫との思い出が殺到している。
■「言葉はわからなくても、愛されていることは伝わる」



本作の最大の特徴は、人間のセリフがすべて「黒塗り」で表現されている点だ。これは、猫には人間の言葉の意味は理解できないことをリアルに再現している。しかし、たとえ言葉が通じなくても、毎日おいしいごはんが出てくること、遠慮がちに、でも優しく撫でてくれる手の温もり、そして自分を見つめる眼差しから、猫は「自分が理由もなく愛されている」ことを悟っていく。
「誰にも頼らず、たくましく生きるのが強い生き方だと思っていた」。そんな野良猫のプライドが、月日とともに、心地よい「依存」へと溶けていく過程は、多くの飼い主が経験したことのある、最も尊い瞬間の一つだろう。
■「鋭い目つきが、柔らかな表情へ」
作者のかっくさんに制作のこだわりを伺うと、「飼われていくにつれ、野生を忘れた表情になっていくのがこだわりポイントです」と語る。物語の序盤、周囲を警戒して鋭かった猫の目つきが、男性と過ごす時間の中で徐々に丸く、穏やかになっていく。その顔つきの変化こそが、猫が心を開いた何よりの証拠なのだ。
1匹で生きて死んでいくはずだった運命が、ある日突然、誰かの宝物になる。猫を飼っている人には「いい意味でダメージが大きい」本作は、言葉を超えた絆の深さを教えてくれる。ラストシーン、男性の帰りを玄関で待つ猫の姿に、今日も多くの読者が目頭を熱くしている。
取材協力:かっく(@cak221)
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