
コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。
今回は『ないしょの京子姉さん』の作者である葛西尚さんに注目し、サンデーうぇぶりで連載されていた『麦香るふたり』をご紹介しよう。
同作は亡き祖父のアダンが残したパン屋を孫のヒューゴが再開するため、アダンの元弟子・澄野瑞之と一緒に奮闘する様子が描かれた一作。
以前葛西さんのX(旧Twitter)に第23話が投稿されると、約3000もの「いいね」が寄せられている。そこで作者の葛西さんに、同作を描いたきっかけについて話を伺った。
■多忙を極める“朝の仕込み”に挑戦

――栃木県鹿沼市、森に囲まれたパン屋「ブーランジェリーマロニエ」を営んでいた亡き祖父のアダンは、ヒューゴに2代目として引き継いでほしい思いがあった。しかし、祖父ほどの力がなく実現できないなか、彼をサポートするためにやってきた元弟子の澄野がパン作りの作法をヒューゴに教え込むのだった。
澄野のサポートもあってしばらく閉めていたパン屋を開店し、ヒューゴも研修を終えてテキパキと接客や掃除をこなす。やる気に満ちたヒューゴは、澄野に朝の仕込みを手伝っていいか確認するも、朝が早く多忙で慌ただしくなるため、遠回しに“大丈夫?”と心配する。
それでも挑戦したいと申し出るヒューゴは“仕込み”という修羅場を迎え…。読者からは「厳しく指摘されても、それが当然と思えるヒューゴが素晴らしい」「澄野の人柄が良くてヒューゴも真っすぐでほっこりした」などの声が上がっていた。
■描くに至ったきっかけはパン職人の動画?

――『麦香るふたり』を描くに至った経緯をお教えください。
元々は連載企画を進めるよりも前に描いた、短い読切がきっかけでした。読切のテーマが「仕事人」だったので、いろいろな職業を調べていたところ【パン職人のパン作りの様子】を撮影した動画を偶然見かけ、深夜から黙々とパンを作り続ける職人さんの様子がとてもかっこよく興味深かったので「パン職人」の漫画を描こうと決めました。
読切でパンを描いてみたら楽しかったことや、グルメ漫画に挑戦したいタイミングだったこともあり、パン屋さんを題材にした連載企画にして今の『麦香るふたり』の形になりました。
――『弟子が辞めてしまった過去をもつパン職人のお話』の部分を描いたうえで「こだわった点」あるいは「ここに注目してほしい!」というポイントがあれば教えてください。
過去に、自分の行いのせいで苦い経験をした(相手にもさせてしまった)澄野の後悔が、ヒューゴによって気持ちが軽くなっていく…というところを見ていただきたいです。
何かを突き詰めようとするなら厳しい一面ももちろん必要な要素だと思うので、過去のことも間違ってはいなかったと思えるようなお話にできたらなと思って描きました。
パン屋さんの仕事面で言いますと、朝の仕込みの様子をリアルに感じられるようこだわりました。取材先で実際に仕込みの様子を見た際、本当に手際よく正確にパンを作られていて感動したので、少しでもそれが伝われば良いな…と思います。
――『弟子が辞めてしまった過去をもつパン職人のお話』の部分のなかで特に気に入っているシーンやセリフがあれば、理由と共に教えてください。
p17の5コマ目~最後のページ(1、2コマ目)の澄野のセリフとモノローグ
「いいじゃん めげなかった証拠だし 俺は嬉しいよ」
(ヒューゴ君だから 受け止めてくれると思えたんだ)
という部分が特に気に入っています。ヒューゴとパンを作っているからこその言葉であり、自分について来てくれた安心感が表れているからです。
また最後のページで、澄野の元弟子も違う形ではあるもののパンを作り続けていることを知るシーンも、澄野が救われたような気がして私自身も嬉しくなりました。
――2026年の展望や目標をお教えください。
自分の好きなものや興味のあるものを通して、より多くの方が楽しめるような漫画を描きたいです。
――読者へメッセージをお願いします。
連載を追って読んでくださった皆様、毎回「パンが美味しそう!」などのお言葉でいつも励みになっておりました。ありがとうございます!
今回初めて知ってくださった皆様、読んでくださりありがとうございます!少しでも印象に残っていたら嬉しいなと思います。
このお話が収録されている『麦香るふたり』3巻が4/10に発売になりました。他にもたくさんのパンが登場するので、興味がありましたらぜひ読んでいただきたいです。

