
接客業をしていると暴言を吐かれたり、クレームを言われて落ち込むことがある。しかし、悪いことばかりではない。「多くの方は良識のある優しいお客様です。そういったお客様に出会えたり話したりしていると『人っていいな』と思える瞬間があって、それが販売の仕事を続けるモチベーションになっています」と語る、タジマオオカ(@pu92yu)さん。今回は、救いの手を差し伸べてくれた「接客業であったすごい客」を紹介しよう。
■クレームのようでクレームではない、マダムの巧みな介入



販売員として働くタジマオオカさんは、日々さまざまな客と接している。そのなかには「デパートに言えばおまえなんかクビだからな」といった脅迫めいた暴言を浴びせてくる人もいた。その日も理不尽なクレームをネチネチ言い続ける客に対応していたときのこと。そこへ上品な雰囲気のマダムが「いつまでかかるの?」「急いでいるんだけど」と割って入ってきた。クレーマー対応に気を取られ、待っている客に気づけなかったことにヒヤリとしたが、それをきっかけに理不尽なクレーマーは居心地悪そうに立ち去ったのだ。直後、マダムは「ああいう人、嫌いなのよね」と一言。すべては計算のうえで助け舟を出してくれたのだとわかった。
突然の展開について作者のタジマオオカさんは、「絡まれている状況で、間に割って入ってくる方というのは本当に稀なので、最初は『えっ?』と呆気にとられました。助けていただいたあとは、ありがたい気持ちと同時にお客様にこんなことをしていただいて申し訳ないという思いもありました」と振り返る。一見するとクレームにも思える言葉だったが、声のトーンや雰囲気から“私へのクレームではない”とすぐにわかったという。「私のなかではとてもありがたく、大きな出来事でしたが、この方にとってはごく自然な行動だったのだと思います。そういった部分でも素敵な方だと思いました」と話す。
カスタマーハラスメントが社会問題化する今、救いの一言がどれほど大きな意味を持つのかを描いた今回のエピソード。タジマオオカさんの胸に残る神対応の瞬間を、ぜひ読んでみてほしい。
■取材協力:タジマオオカ(@pu92yu)
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