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『ビール』や『炭酸水』はNG? 「逆流性食道炎」のつらい症状を悪化させる“共通の原因”とは

『ビール』や『炭酸水』はNG? 「逆流性食道炎」のつらい症状を悪化させる“共通の原因”とは

食事内容だけでなく、飲み物の選び方も症状の管理に大きく関わっています。アルコールは胃酸の分泌を促し、食道粘膜の防御機能を弱めることが知られています。また、炭酸飲料に含まれるガスは胃の内圧を高め、胃酸を食道側へ押し上げる力として働くことがあります。日常的に取り入れている飲み物が症状に影響している可能性について、そのメカニズムとともに見ていきます。

中路 幸之助

監修医師:
中路 幸之助(医療法人愛晋会中江病院内視鏡治療センター)

1991年兵庫医科大学卒業。医療法人愛晋会中江病院内視鏡治療センター所属。米国内科学会上席会員 日本内科学会総合内科専門医。日本消化器内視鏡学会学術評議員・指導医・専門医。日本消化器病学会本部評議員・指導医・専門医。

逆流性食道炎で食べてはいけない食品:アルコールと炭酸飲料

飲み物の選択も、逆流性食道炎の管理において極めて重要な要素です。特にアルコールや炭酸飲料は、多くの方が日常的に摂取する嗜好品ですが、症状に与える影響は決して無視できません。そのメカニズムを理解し、適切な対応をとることが求められます。

アルコールが引き起こす問題

アルコールは、複数の経路から逆流性食道炎の症状を悪化させます。第一に、アルコールには下部食道括約筋を直接弛緩させる作用があります。これにより、胃と食道を隔てる「弁」が緩み、逆流が起こりやすくなります。第二に、胃酸の分泌を強力に促進するため、逆流する胃酸の量そのものが増え、食道への攻撃性が高まります。第三に、アルコールの摂取は食道粘膜の防御機能を弱め、蠕動運動(内容物を先に送る動き)を妨げることも知られており、少量の逆流でも症状として感じやすくなったり、逆流した胃酸が食道に停滞しやすくなったりします。

特にビール、ワイン、日本酒などの醸造酒は胃酸分泌をより高めやすいとされています。また、柑橘系のジュースや炭酸水で割ったカクテルやサワーは、アルコール、酸、炭酸の三重苦となり、症状を強く誘発する可能性があるため、特に注意が必要です。症状がある時期は、禁酒または可能な限り摂取を控えることが強く推奨されます。

炭酸飲料が腹圧に与える影響

炭酸飲料(ソーダ、コーラ、炭酸水など)は、その名の通り二酸化炭素のガスを含んでいます。これを飲むと、胃の中でガスが発生し、胃が風船のように膨らみます。この膨張が胃の内圧を物理的に高め、下部食道括約筋を押し広げる形で、胃酸を食道側へ逆流させる力として働きます。げっぷが出るときに、一緒に胃酸がこみ上げてくる感覚を経験したことがある人もいるでしょう。ビールは、前述のアルコールとこの炭酸ガスの両方の問題を併せ持つため、逆流性食道炎にとっては特にリスクの高い飲み物と言えます。

コーラやサイダーのような甘い炭酸飲料だけでなく、健康志向で飲まれる無糖の炭酸水も同様の影響を及ぼす可能性があります。炭酸飲料を飲む習慣がある方は、それを水やカフェインの入っていないお茶(麦茶、ルイボスティーなど)に切り替えるだけでも、食後の胸焼けや不快感が軽減されるケースは少なくありません。食事中の飲み物の選択を見直すことは、今日からでも始められる手軽で効果的な改善策の一つです。

まとめ

逆流性食道炎は、食べ物、寝方、コーヒーといった日常のさまざまな習慣と深く、そして複雑に関わっています。高脂肪食、刺激物、酸性食品、アルコール、炭酸飲料を可能な範囲で控え、消化の良い食事を心がけること。就寝時には上半身を高くし、身体の構造上、逆流しにくい左側を下にして寝る姿勢を意識すること。そして、コーヒーは空腹時を避け、適量を嗜む程度に飲み方を工夫すること。これらの地道な生活習慣の見直しが、症状緩和の最も確実な一歩です。もしセルフケアを続けても症状が改善しない場合や、警報となるサインが見られる場合は、決して放置せず、消化器内科への受診を検討してください。

参考文献

日本消化器病学会「胃食道逆流症(GERD)診療ガイドライン一覧」

国立がん研究センター がん情報サービス「食道がん」

配信元: Medical DOC

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