脳トレ四択クイズ | Merkystyle
「50〜70代女性」は要注意! 目の奥が激痛に襲われる“2つの原因”【医師監修】

「50〜70代女性」は要注意! 目の奥が激痛に襲われる“2つの原因”【医師監修】

急性緑内障発作は、眼球内の圧力(眼圧)が突然急激に上昇することで起こる、緊急性の高い眼の病気です。目の中を循環する液体「房水」の排出経路が塞がれることで発症し、激しい眼痛や視力障害をもたらす可能性があります。この記事では、発作の仕組みや起こりやすい方の特徴について、わかりやすく解説します。

柳 靖雄

監修医師:
柳 靖雄(医師)

東京大学医学部卒業。その後、東京大学大学院修了、東京大学医学部眼科学教室講師、デューク・シンガポール国立大学医学部准教授、旭川医科大学眼科学教室教授を務める。現在は横浜市立大学視覚再生外科学教室客員教授、東京都葛飾区に位置する「お花茶屋眼科」院長、「DeepEyeVision株式会社」取締役。医学博士、日本眼科学会専門医。

急性緑内障発作とは?目の奥の痛みを引き起こす眼疾患

急性緑内障発作は、眼球内部の圧力(眼圧)が、何らかの原因で正常範囲(通常10〜21mmHg)を大幅に超えて、突如として急激に上昇することで引き起こされる緊急性の高い眼疾患です。健康な目では、「房水(ぼうすい)」と呼ばれる透明な液体が、眼内の組織に栄養を供給しながら一定のペースで産生・排出されることで、眼圧は常に適正な範囲に保たれています。しかし、この房水の主要な排出経路である「隅角(ぐうかく)」が突然塞がれてしまうと、房水は眼内に滞留し、逃げ場を失って眼圧が急上昇します。この異常な高眼圧が持続すると、目の奥の激しい痛みや、視神経への圧迫による回復不可能な視力障害を引き起こすのです。

急性緑内障発作が起こる仕組み

目の内部、角膜(黒目の表面)と虹彩(茶目)のあいだには「前房(ぜんぼう)」という空間があり、房水で満たされています。房水は虹彩の裏側にある毛様体で産生され、瞳孔を通って前房に流れ込み、角膜と虹彩の付け根にある隅角から排出されます。隅角には線維柱帯(せんいちゅうたい)というスポンジ状のフィルター組織があり、ここを通過した房水はシュレム管という排出管を通って眼外の血管へと吸収されます。急性緑内障発作の多くは、この隅角が虹彩の根元によって物理的に押しつぶされ、塞がれてしまう「閉塞隅角(へいそくぐうかく)」という状態から起こります。排水溝が完全に詰まってしまうと房水は行き場を失い、眼圧は短時間で40〜70mmHgといった危険なレベルまで急上昇します。この高い圧力が持続すると、視神経が圧迫され、血流が途絶えて回復不能なダメージを受けるため、一刻も早い眼圧降下処置が必要となります。

急性緑内障発作が起こりやすい方の特徴

急性緑内障発作が起こりやすい方には、いくつかの解剖学的な特徴や背景因子が見られます。まず、遠視の方は眼球の前後方向の長さ(眼軸長)が短い傾向があり、その分、前房が浅く隅角が狭くなりやすい構造をしています。また、加齢も大きなリスク因子で、年齢とともに水晶体が厚みを増し、硬化することで虹彩を前方に押し出し、隅角を物理的に狭めてしまいます。そのため、50〜70歳代の中高年の女性に発症例が多いとされています。そのほか、特定の薬剤の使用が発作の引き金になることもあります。市販の風邪薬や胃腸薬、抗アレルギー薬に含まれる抗コリン成分、一部の向精神薬や抗うつ薬などは、瞳孔を広げる(散瞳)作用があり、狭い隅角をさらに閉塞させやすくします。生活習慣では、暗い場所では光を取り込もうとして瞳孔が大きく開きます。さらにうつむき姿勢を続けると、目の中のレンズ(水晶体)が前方にズレやすくなり、隅角をより狭めてしまいます。家族に緑内障の方がいる場合も注意が必要です。

まとめ

急性緑内障発作は、目の奥の激しい痛み、急激な視力低下、虹視症、頭痛、嘔吐など、多彩かつ激烈なサインを伴う、失明の危険性をはらんだ眼科的な緊急疾患です。発作が起きてから治療を開始するまでの時間が、その後の視機能の運命を大きく左右するため、少しでも疑わしい症状を感じたときは、決して自己判断で様子を見ることなく、直ちに眼科を受診することが何よりも重要です。失明という最悪の転帰は、早期の適切な治療によって回避できる可能性が高い病気です。40歳を過ぎたら、自覚症状がなくても定期的な眼科検査でご自身の目のリスク(特に隅角の広さ)を事前に確認し、かかりつけの眼科医を持つことをおすすめします。

参考文献

日本眼科学会「緑内障診療ガイドライン(第5版)」
厚生労働省「第Ⅶ章 眼及び付属器の疾患(H00-H59) 日本眼科学会「目の病気|緑内障」
配信元: Medical DOC

提供元

プロフィール画像

Medical DOC

Medical DOC(メディカルドキュメント)は800名以上の監修ドクターと作った医療情報サイトです。 カラダの悩みは人それぞれ。その人にあった病院やクリニック・ドクター・医療情報を見つけることは、簡単ではありません。 Medical DOCはカラダの悩みを抱える方へ「信頼できる」「わかりやすい」情報をお届け致します。