1.より信頼してもらえる
まず、メリットのひとつは、愛猫から信頼してもらえることです。
猫には人間の言葉の意味そのものはわかりませんが、飼い主さんの声のトーンやニュアンスから、どんな気分でいるのか、感覚的に判断できます。
やさしく声をかければ、愛猫の気持ちが和らぎ、不機嫌な調子で話せば、少なからずストレスを与えてしまいます。
そういう意味でも、愛情に満ちた飼い主さんの声掛けは、愛猫に抜群の安心感をもたらします。猫にとっては安心感こそ、信頼感の礎になるものです。
愛猫に伝わりやすい話し方のポイントは、やや高めの声を意識しつつ(猫は高音域のほうが聞き取りやすい)、穏やかな口調で語りかけることです。反対に、大声や野太い声は、愛猫を怖がらせる恐れがあるため、控えるようにしましょう。
最初は、愛猫の名前から始め、「ゴハンだよ~」、「おやつだよ~」といった、短く、お楽しみなイベントにちなんだ言葉を積極的に使うと、愛猫も反応しやすくなるかもしれません。
2.お互いのコミュニケーションがもっと深まる
信頼感をもとに、日常的に愛猫に話しかけると、お互いのコミュニケーション向上にもつながります。
たとえば、名前を呼ぶたびに甘えてきてくれたり、「ゴハン?」と聞いたら、「ニャー!(うん!)」と答えてくれたり、声掛けによって、愛猫の気持ちに気づきやすくなります。さらにしっぽの動きにも注目すれば、愛猫が何を考えているのか、より深くわかるはずです。
「かわいいね」、「いい子だね」、「ありがとね」などの声掛けに愛猫が慣れてきたら、ワンランク上のレベルを目指すべく、より伝わりやすい赤ちゃん言葉で話しかけるのも効果的です。
赤ちゃん言葉を話そうとすると、自然に声のトーンが高くなり、ゆっくりとした調子になります。オペラのバス歌手のような超低音の赤ちゃん言葉は、かえって難しいくらいです。
試しに、本番さながらに、この場で以下の言葉を実際に口に出してみましょう(まずは、まわりに人がいないかしっかりご確認を)。
「かわいいでちゅね~」、「いい子でちゅね~」、「だいちゅきだよ~」、「どちた~?」
赤ちゃん言葉を変幻自在に使いこなせるようになると、愛猫との意思疎通、信頼関係がますます強固なものに発展するはずです。
特に、男性の飼い主さんは、プライドや羞恥心をかなぐり捨てて、赤ちゃん言葉にぜひトライしてみてください。

