夫・淳との穏やかな日常を愛するみどり。その平穏を乱すのは、上から目線でありがた迷惑な友人・まいです。ある日、突然訪問したまいは、高級食材を持ち込み、みどりの制止を無視して高額な手料理を押し付け始めて…。
夫婦2人の穏やかな幸せ
私はみどり(30)です。夫の淳(32)と、都内のマンションで二人でのんびり暮らしています。結婚してまだ数年。いつか子どもは欲しいけれど、今はまだ二人の時間を大切にしたくて、特に具体的な予定は立てていません。
私と淳、2人とも喫煙者なんですが、毎朝、淹れたてのコーヒーを飲みながら、ベランダで一緒に一服するのが私たちのささやかな幸せなんです。あの朝の静かな時間が、一日の活力源というか、まあ、私たち夫婦にとっての、大切な儀式みたいなものですね。
そんな穏やかな日々の、唯一のストレスの種。それが、学生時代からの友人、まい(30)でした。
まいは私とタメなんですが、なぜかいつも上から目線で、こちらの都合を全く考えないんです。特に、何かを施そうとする時のプライドの高さときたら、もうお手上げで。
まいはいつも「私が一番正しい」「私がやってあげた方が良い」という自信に満ちあふれていて、それがこちらの迷惑になっても、全く気付かないんです。彼女の行動がはっきり言ってありがた迷惑なのですが、迷惑と思ってしまう自分の器が狭いのでしょうか?そう自問してしまうほど、彼女は強いんです。
気乗りしない友人の訪問
ある日のこと。まいから突然メッセージがきました。
「今度の土曜、遊びに行っていい?みどりの顔見たいな!」
私は正直、あまり気乗りしなかったんですが、淳が「まあ、友人だし、たまにはいいんじゃない?」というので、OKしたんです。
そして当日。まいは約束の時間よりも少し早く、大きなエコバッグをいくつも抱えてやってきました。その中に、大量の高級食材が見えた瞬間、私の心には小さな警報が鳴り響きました。
「おはよー!みどり!見て!今日はとっておきの食材を持ってきちゃった~!」
まいは玄関でそう言って、大きな荷物をリビングにドサッと置きました。
「え、まいちゃん、そんなに荷物抱えてどうしたの?これからご飯食べに行こうかって話してたのに…」
私は、外でみんなでおいしいものでも食べて済ませようと思っていたんです。まいに気を使わせたくなかったし、なにより、わが家の領域を、まいの「善意」で侵されたくなかったから。
でも、まいは私の言葉なんか耳に入っていないみたいでした。バッグから次々と食材を取り出しながら、鼻息荒く言います。
「もー、何言ってるの!外食なんてダメだよ!身体に悪いものばっかりだし、コスパも悪いじゃん~!作った方が絶対安いし、安全でしょ?みどりの家で私が腕を振るってあげる!だから、高級スーパーで限定の食材も買い込んできたんだ」

