
波瑠と麻生久美子がW主演を務めるドラマ「月夜行路 -答えは名作の中に-」(毎週水曜夜10:00-10:54、日本テレビ系/Huluにて配信)の第7話が5月20日に放送された。涼子(麻生)の“元親友”の息子が起こした事件にあった思いを、ルナ(波瑠)が宮沢賢治の名作からひも解いた。(以下、ネタバレを含みます)
■バーのママ×専業主婦の異色バディによるミステリー
本作は、ミステリー作家・秋吉理香子氏の同名小説が原作の“痛快文学ロードミステリー”。
波瑠が演じるのは、重度の文学オタクである銀座のバー「マーキームーン」のママ・野宮ルナ。麻生は、仕事漬けの夫と反抗期の子どもにないがしろにされる主婦・沢辻涼子に扮(ふん)する。ひょんなことから出会った2人はバディとなり、ルナの文学の知識を生かして、行く先々で出合う事件の真相と入り組んだ人間ドラマをひも解いていく。
出演は他に、涼子の夫で大手出版社に勤める菊雄役を田中直樹、ルナの同級生で大阪府警から警視庁で研修中の刑事・田村徹矢役を柳俊太郎、田村の元相棒・小湊弘樹役を渋川清彦が務める。
■涼子がかつての親友と再会
ルナは、母に懇願されたパソコンのパスワード解読のヒントを求めて、涼子を伴って夏目漱石研究の第一人者・吉澤(野間口徹)の自宅を訪れた。そこで涼子は、吉澤の妻が、かつてバドミントンでペアを組んでいたさつき(遠藤久美子)だと知る。共にオリンピックを目指しながらも挫折した涼子と、夢をかなえたさつき。はからずも再会した二人の間には複雑な感情が渦巻いた。
そんな中、吉澤家に警察がやって来る。一人息子・龍之介(二井景彪)に近隣の公園で起きた爆破予告の容疑がかけられたのだ。龍之介は他にもパンの窃盗、大量のブロック肉やぬいぐるみの購入と投棄と、不可解な言動を繰り返していた。
ルナの助言で刑事にはあとから連絡すると帰ってもらったが、今度は隣に住む光二(田野井健)が刑事の姿を見て心配になりやって来る。龍之介と光二は一緒にダンスに夢中になっていた親友だったが、光二が中学受験をしたのを機に疎遠になっていた。
ルナはそれらの情報から真相にたどり着いた。龍之介は、学校の勉強についていけず、友達もいなくて悩んでいた光二が、ぬいぐるみに針を混入させたのを目撃。それ以来、後をつけて光二が犯した罪で誰かが傷つかないよう、針を忍ばせた商品を回収し、さらに公園の砂場にガラス片を隠していたのも見つけた。
これ以上光二の行動をエスカレートさせないためにも、龍之介は爆破予告という形で警察のパトロールを増やそうとしたのだった。
■宮沢賢治の名作「銀河鉄道の夜」に重ねた友情
龍之介と光二の関係を、宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」に登場するジョバンニとカンパネルラのようなものと想像したルナ。龍之介は光二に誘われて始めたダンスをがんばっていたが、光二が辞めてしまい夢がついえた。「嫌いなんだよ、こいつのこと…」と言う龍之介だったが、ルナは龍之介に、助けたのは「大切だったからではないのですか」と問う。
そして「どんなに望んでもかなわない夢はあります。でも、何かを夢見て過ごした時間、苦しんだ時間、そのすべてが今のあなたを作っています。だから過去の自分を否定しないでほしい」と語り掛けた。
その言葉は涼子にも響いた。吉澤家からの帰り道、涼子はルナに25年前にバドミントンを辞めたのは、自分のけがが治るまでさつきを待たせるのが申し訳ないと思ったことからのうそだったことを打ち明けた。そのあとに別の選手と組んでメダルを獲得したさつきに、祝福の気持ちの一方で嫉妬もした涼子は、バドミントン自体を心の奥に封印してしまったのだと。
ルナは、長年ペアを組んでいたさつきはその“優しいうそ”に気付いていたのではと推測し、二人ともが「不器用だった」と言った。
■涼子は娘の夢を応援することに
その後、涼子の娘・芳香(戸田彩巴)が大学を辞めたい理由が、声優の学校に通いたいからだと打ち明けた。厳しい世界だと心配する菊雄に、芳香はかつて菊雄が書いた「夢に向かって頑張る時間は宝物」という見出しがついた涼子とさつきのインタビュー記事を見せて、「挑戦したい」と思いの強さを示した。
「どんな結果になっても、やりたいことに夢中になれた時間は宝物だと思う。お母さんもやっと気づけた。あの時間を誇りに思えるようになった。今の自分を作ってくれたのは、あの頃の自分だから」と、涼子は芳香の背中を押し、菊雄も大学を辞めないことを条件に許した。
夢と友情に包まれたストーリー。SNSでは、涼子のモノローグで明かされたルナの言葉「大切と思える友と出会えることは奇跡」も感動を呼び、「ラストの涼子さんとさつきさんが笑い合ってるシーンが良すぎ」「エンディング泣いた」「ママもさつきも奇跡 すごい好きな回だった」と言った声が寄せられた。
※柳俊太郎の柳は、「木」偏に「夘」が正式表記
◆文=ザテレビジョンドラマ部

