「骨髄異形成症候群」を発症した場合の「余命」はどのくらい?治療法も医師が解説!

「骨髄異形成症候群」を発症した場合の「余命」はどのくらい?治療法も医師が解説!

骨髄異形成症候群を患ってしまったときの余命をご存知ですか。

骨髄異形成症候群は病気を発症すると造血細胞に異常が生じるので、赤血球・白血球・血小板を正常に作ることができなくなる病気です。

どの血球が作られにくくなったかで症状が変わります。発見が遅くなることがほとんどで、治療開始が遅いと余命にも影響します。

この記事では、骨髄異形成症候群の余命だけでなく、病気の症状や治療法についても解説します。骨髄異形成症候群の早期発見にもお役に立てれば幸いです。

山本 佳奈

監修医師:
山本 佳奈(ナビタスクリニック)

滋賀医科大学医学部卒業 / 南相馬市立総合病院や常磐病院(福島)を経て、ナビタスクリニック所属/ 専門は一般内科

骨髄異形成症候群とは?

骨髄異形成症候群(myelodysplastic syndromes:MDS)は骨髄系造血器腫瘍の一つです。未熟な造血細胞に異常が生じたことが原因と考えられていますが、なぜその異常が出現するかは明確になっていません。未熟な造血細胞に異常が生じるため、赤血球・白血球・血小板を正常に作ることができなくなります。
赤血球を正常に作ることができなくなると貧血症状が出現します。症状は倦怠感・動機・息切れ・めまいなどです。白血球が減少すると免疫力が低下するため感染しやすい状態になります。血小板が減少すると、出血を止めることが難しくなり鼻や脳など出血傾向がみられます。
骨髄異形成症候群は、血球減少で診断されることがほとんどです。ただ、血球減少がみられる病気は骨髄異形成症候群だけではないので、染色体異常や好中球アルカリフォスファターゼ活性などの補助診断も行われます。具体的に行われる検査は以下のとおりです。

血液生化学検査

細胞遺伝学的分析

末梢血塗布抹

骨髄穿刺による骨髄生検

細胞の特徴を検査するフローサイトメトリー

遺伝子や染色体を測定するFISH(蛍光in situハイブリダイゼーション)

上記の検査を行い、統合的に診断していきます。

骨髄異形成症候群の余命

骨髄異形成症候群と診断されてからの余命について解説します。病気の進行状況によって平均生存期間が変わります。

高リスクと低リスクで分かれる

骨髄異形成症候群はInternational prognostic scoring system(IPSS)という指標を使用し、高リスクと低リスクに分類します。この分類は1994年に発表されたものです。これは骨髄芽球・核型・血球減少をスコア化し、合計点数で結果を出します。
2012年にはRevised IPSS(IPSS-R)というIPSSの改訂版が発表され、このIPSS-Rの方がよく使用されるようになりました。骨髄異形成症候群の進行は、低リスク群・中間(int-1)・中間(int-2)・高リスク群の4段階にわけられます。

平均で3~5年程度

リスク分類は4段階にわけることができ、平均生存期間は下記のとおりです。

低リスク群は5.7年

中間(int-1)群は3.5年

中間(int-2)群は1.3年

高リスク群は0.4年

平均すると3〜5年程度です。

配信元: Medical DOC

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