
コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回は、やかしま雪さんの「強迫性障害を抱える母親の日常」をご紹介。本作はKADOKAWAの「シリーズ立ち行かないわたしたち」で新人賞を受賞した、セミフィクションコミックエッセイ。
作者であるやかしま雪さんが2月13日にX(旧Twitter)に本作を投稿したところ、4800件を超える「いいね」が寄せられた。本記事ではやかしまさんに、作品のこだわりなどについてインタビューをおこなった。
■強迫性障害を抱える母・やかしま雪さんの日常とは…
作者・やかしま雪さんは子育てをしながらも、”強迫性障害”を20年抱えている。子どもの予防接種を予定していた日、玄関の鍵をかけたことを何度も確認したくなる「強迫に負け」てしまい…
本作を投稿したX(旧Twitter)には「大切な人がいる証拠、なんだろうなぁ…」「すごく胸に刺さりました」「目に見えない苦しさを可視化してくれてありがとうございます」などのコメントの他「わかりみがありすぎて辛すぎました」「脳が納得しないという表現がとてつもなくしっくりくる」といった共感コメントも寄せられている。
■『とにかく自身の「強迫性障害の症状をリアルに描くこと」を意識しています』作者・やかしま雪さんに作品へのこだわりをインタビュー

――「強迫性障害を抱える母親の日常」を漫画にしたきっかけや理由があればお教えください。
シリーズ立ち行かないわたしたち新人賞(KADOKAWA)がきっかけです。このシリーズが好きですし、私が絵を描くのも好きだったのでチャレンジしました。今までXでは病とは関係のない緩い4コマ漫画を趣味で描いていましたが、これをきっかけに自分自身の強迫性障害を題材に活動したいと思うようになりました。
――本作を描くうえでこだわった点や、「ここを見てほしい」というポイントがあればお教えください。
とにかく自身の「強迫性障害の症状をリアルに描くこと」を意識しています。普通の人が体験して何とも思わない場面でも強迫の私からすると恐ろしい場面になります。息が浅くなり、確認しないと体が震え出すような恐怖に襲われます。目には見えない症状を持つ人間がいる、そしてそれを隠して苦しんでいる。そういった強迫性障害のリアリティを表現したつもりです。
――本作の中で特に印象に残っているシーンがあれば、理由と共にお教えください。
強迫性障害の確認行為を我慢するのは苦痛です。1人の時はゆっくり受け流したり、パニックを起こしても誰にも迷惑をかけません。人前で強迫を我慢する時、これが辛いです。本作の「人とぶつかったシーン」が印象に残っています。場所は小さい子の多い幼稚園。地面に這いつくばってでも怪我人がいないか確認したい。でも急に地面に這いつくばっては変人です。これからの幼稚園生活に関わります。何としてでも我慢しなくては…母として強迫を抑える場面は私の実生活にも多くあります。
――読者へ強迫性障害を伝えるためにこだわっていることがあればお教えください。
強迫性障害は人によって症状はそれぞれです。強迫性障害の症状はこうで治療法はこう、と決めつけて表現しないように注意しています。罹患者の数だけ症状がある病なので、私の漫画はあくまで一例として読んでいただきたいです。
――今後の展望や目標をお教えください。
本作を一冊の本にしたいと思っています。強迫性障害という病があることをみなさんに知ってもらいたいです。この病を知らずに苦しんでいる方に届いて、病院受診のきっかけになれば嬉しいです。少しでも良くなりますように。
――作品を楽しみにしている読者へメッセージをお願いします。
読んでいる方々、みなさんに悩みや辛いことがあると思います。私も一緒です、強迫性障害という辛さを抱えています。私の辛さを明かすことで読者のみなさんに寄り添いたいです。こんなことで悩んでいる人間もいるんだ、いろんな人がいるなと視野を広げるお手伝いができれば幸いです。今後もよろしくお願いします。

