ちょっとした時間があるとき、未見の映画やドラマに手を出したいんだけど、分かんないから好きなのを繰り返し観ちゃう……という方。映画ライターよしひろまさみちが実際に観て偏愛する作品を、ネタバレ上等な私見&本音でおすすめしますよ〜。
よしひろさん、「きのう何観た?」
Netflixシリーズ『ソウルメイト』
story アイスホッケー選手として将来を期待された琉(磯村勇斗)は、親友の人生を台無しにしたことをきっかけに、幼馴染みの澄子(橋本愛)が暮らすベルリンへ。たまたま訪れた教会の火事に巻き込まれた彼は、韓国人ボクサーのヨハン(オク・テギョン)に命を救われ……。
監督:橋爪駿輝/出演:磯村勇斗、オク・テギョン、橋本愛、水上恒司、古舘佑太郎、イ・ジェイ、加藤千尋、安田顕、南果歩、三浦友和 ほか/配信:現在、Netflixにて独占配信中
批判も含めてまるっと問題提起
賛否ばっくり分かれているNetflixシリーズ『ソウルメイト』ですが、あたしはアリなんだよねー。ツッコミどころはたくさんあるにしても、この企画が実現したことにやんややんや。ということで、ちょいと紐解いていきましょうね。
なにげにキャストが超豪華。三浦さん、いい役なのよ……。
まずツッコミどころから。BL売りすな! と言いたい。BLじゃないのよー、これ。最初に発表された予告編が思いっきりBLっぽかったことから、本編が公開されてギャップでどよ〜んとなる人がいるのも納得なの。たしかに磯村きゅんが演じている琉とテギョンさんが演じているヨハンの10年愛だし、冒頭から琉に惹かれた彼のアイスホッケー部仲間・新が描かれるから、とっかかりとしてBLっぽさを出してしまうのは分かるっちゃ分かる(ダメだけど)。でも、本質が違い過ぎなの。タイトル通り、恋とか愛とかじゃなくて、ソウルメイトのお話ですもんで。
おそらくだけど、ソウルメイトの定義が曖昧だから厄介なのよね。親友とも違うし、恋人でもパートナーっていうのとも違う。いうなれば、家族以上の存在、みたいな。ほれ、家族だったとしてもヒミツにしていることとかってあるじゃないすか。そういうのが一切ないどころか、「テレパシーか!?」ってくらいに通じ合ってる他人。密に連絡を取り合わなくても通じてるっていう関係。それがソウルメイトね。これ、経験したことがないって人多いのも無理はないのよ。それが描かれているのが本作だもの。だって、世界中何十億いるなかでそんな人がいる可能性ってすごく低いし、出会える可能性はもっと低いんだもの。ただ、出会えたときのご縁はむちゃ大事。「オレたちそうるめいとー!」って軽く言える関係じゃないのよねー。
アイスホッケー部なので、2人ともトレーニングでからだ作りしまくってます。
で、琉とヨハンはそんな関係になっていくのよ。出会いは最悪だったけど、お互いの状況や彼らの周りにいる親密な人達との関係性、それにタイミング。これが全部揃っても、10年かけて育んだ関係性があったからソウルメイトになっていくってお話。こんな長いスパンのお話、ほぼほぼ大河ドラマ級。なので、よくこの企画通ったわ……って思うわけです。
で、大賛辞を送りたいのが、水上くんが演じた新のパート。これ、モデルにしたかどうかは分からないんだけど、本当にあった事件を思い出さずにはいられないのよね。それがアウティング(実際の事件はちょっとググると出てきますが、とんでもない事件&悲劇)。合意のないところで秘密にしていたことを広められてしまうこと、最悪じゃないですか。セクシュアリティだったりからだの状態だったり病気だったり、悪意がなかったとしても合意なきところで広めるのは、マジで一発アウト。あたしもありましたよ……そういうこと。いじめと一緒で、やったほうは覚えてなかったとしても、やられたほうは一生残る傷になるの。本編ではかなりドリーミーな結果を出してくるから、けしからんという人がいるのも納得。なんだけど、この要素は今こそ伝えないといけないことだと思うのです。なので、観てね。

