脳腫瘍が疑われる場合、どのような検査や治療が行われるのか、不安に感じる方も多いのではないでしょうか。診断から治療方針の決定まで、一般的な流れをあらかじめ知っておくことで、受診への心理的なハードルを下げることにつながります。この記事では、MRIやCTによる画像診断の役割と、外科手術・放射線療法・薬物療法それぞれの概要について解説します。

監修医師:
伊藤 たえ(医師)
浜松医科大学医学部卒業。浜松医科大学医学部附属病院初期研修。東京都の総合病院脳神経外科、菅原脳神経外科クリニックなどを経て赤坂パークビル脳神経外科菅原クリニック東京脳ドックの院長に就任。日本脳神経外科学会専門医、日本脳卒中学会専門医、日本脳ドック学会認定医。
脳腫瘍の吐き気・頭痛に対する診断と治療の流れ
脳腫瘍が疑われる場合、どのような検査や治療が行われるのかを知っておくことで、受診への不安を和らげることができます。診断から治療に至るまでの一般的な流れについて解説します。
画像診断:MRIやCTが果たす役割
脳腫瘍の診断において中心的な役割を担うのが画像検査です。代表的なものとして「MRI(磁気共鳴画像)」と「CT(コンピュータ断層撮影)」があります。
MRIは磁気と電磁波を利用して脳の断面を詳細に映し出す検査で、脳腫瘍の位置・大きさ・周囲の組織との関係を評価するうえで重要な情報を提供します。造影剤を使用することで、腫瘍の境界や血流状態をより明確に確認できる場合があります。CTは撮影時間が短く緊急時にも活用でき、脳内の出血や大きな腫瘍の有無を素早く確認することに適しています。
これらの画像検査は脳腫瘍が疑われるときに行われますが、確定診断には腫瘍組織の一部を採取して顕微鏡で調べる「生検(せいけん)」が必要になることがあります。
脳腫瘍の主な治療法と選択肢
脳腫瘍の治療は、腫瘍の種類・位置・大きさ・患者さんの全身状態などを総合的に判断したうえで選択されます。主な治療法としては、外科手術・放射線療法・薬物療法(化学療法)の3つが挙げられ、これらが単独または組み合わせて用いられることが多くあります。
外科手術は可能な限り腫瘍を切除し、圧迫されていた脳組織の負担を減らすことを目的とします。放射線療法は手術後の残存腫瘍や手術が難しい部位への治療として用いられます。薬物療法は抗がん剤などを使用して腫瘍の成長を抑える治療で、腫瘍の種類によって使用する薬剤が異なります。
良性腫瘍のなかには、経過観察を選択し、定期的な画像検査で変化を確認しながら対応するケースもあります。治療方針については主治医と十分に話し合い、疑問や不安を解消したうえで方針を決めることが大切です。
まとめ
脳腫瘍による朝の頭痛・吐き気・初期症状は、日常的な疲労やストレスと混同されやすく、見過ごされることも多くあります。しかし、症状が繰り返したり、日を追うごとに強まったりする場合には、早めに脳神経外科や脳神経内科を受診することが望まれます。早期発見・早期治療は、その後の経過に大きな意味を持ちます。気になる症状がある人は、まずは医師に相談することから始めてみてください。
参考文献
国立がん研究センター がん情報サービス「脳腫瘍〈成人〉」
国立がん研究センター がん情報サービス「脳腫瘍〈小児〉」
国立がん研究センター 希少がんセンター「脳腫瘍(のうしゅよう)」
厚生労働省「生活習慣病予防」
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